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キノコ日記2016 9月②

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9月27日: 前回(9月21日)紹介したマイタケを採りに山へ入りました。すでに一週間ほど経過しています。もっと早く来れば良かったのですが、雑用があり、この日になってしまったのです。キノコは生長が早いですから、もう崩れかけているかもしれません。

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 心配しながらミズナラの根元を見ると、マイタケは無事でした。しかし何かおかしい。マイタケの先端部分が何者かによって食い散らかされているのです。リスかネズミか?

こんなことは初めてです。木が折れたので見通しがよくなり、何者かに見つけられてしまったのでしょう。
もしかすると、このマイタケは、このミズナラの最後のキノコかもしれません。そう思うと、とても残念でしたが、食べ残しを大事に持ち帰ることにしました。



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 この折れたミズナラの根元には、見慣れぬキノコが点々と出ていました。シメジのようですが、怪しい気配が漂います。
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 カサがまだ開ききらない若いキノコのカサ裏のヒダはシメジのように白色ですが、カサが大きく開いたキノコでは、ヒダが赤みを帯びていました。やっぱり! これは毒キノコのクサウラベニタケでしょうね。
キノコの季節には、このクサウラベニタケによる中毒がよくニュースになっています。死ぬことはないようですが、相当に激しい胃腸症状があるようですからご用心を!


この日の狙いの一つは、北海道では一般にラクヨウと呼ばれているハナイグチです。例年ならば、8月の末頃から出始めて、9月の中旬頃に最盛期となるのですが、今年はどうしたことか、9月になっても出てこなかったのです。
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 9月も末ですから、さすがに、もう出ているだろうと、私の穴場であるカラマツ林に入ってみました。
予想通り、カラマツの根元にカサが開いたばかりの大小のラクヨウが、あちらにもこちらにもと出ていました。
私はラクヨウの味噌汁が大好きですが、ラクヨウはカサが開いたものがダシがよく出るので、写真のようなカサ裏が鮮黄色のものが好みです。



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 ラクヨウと並んで北海道で人気のあるボリボリ(ナラタケ)が倒木に出ていました。ナラタケには幾つかのタイプがありますが、写真のタイプが柔らかくて美味しいように思います。



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 倒木にまたボリボリが...と思いましたが、ボリボリよりも小型で柔らかく、柄にはツバがありません。はて?
齧ってみましたが苦くはありません。センボンイチメガサのような気もします。とりあえず採ることにしました。帰宅して調べると、どうやらナラタケモドキのようですが、クリタケモドキにも似ています。
どちらにしろ毒キノコではなさそうなので、煮て試食してみました。クセもなくヌメリがあって歯切れもよく、美味しいキノコでした。次に出会ったら、また採ろうと思います。


マイタケは残念でしたが、ラクヨウにボリボリと、定番が出そろい、山も遅ればせながらキノコの季節となりました。

キノコ日記2016 9月③

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この秋の札幌は、キノコの発生が例年より1週間ほど遅れました。先日(9月27日)、マイタケを採りましたが、例年なら9月20日前後が発生時期です。
この調子なら、マイタケと並んで私が狙うオオツガタケも、まだ崩れずに残っていてくれるかもしれません。昨年は9月16日に立派なオオツガタケ4個を採っています。


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 9月30日: オオツガタケを求めて山へ入りました。本当はもっと早く来たかったのですが、所用でこの日になってしまったのでした。

私が普段、マイタケなどのキノコを採るのは手稲山の北斜面なのですが、オオツガタケが発生するのは山の南斜面なのです。つまり、山を越えないとオオツガタケが生える森には行く事が出来ないので、これは若くはない私には相当の重労働です。それでも、えっちらおっちらと山を登り、下るのは、それだけ、オオツガタケに魅力があるからです。

オオツガタケの森へと向かう山道では、ツタウルシが早くも紅葉していました。



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 渓流脇に生えたツリバナはまだ葉が青々としていますが、赤い実がはじけて種子が出ていました。公園などによく植えられている木ですが、やはり山中で見ると風情があります。



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 山道にはドングリがたくさん落下していました。今年は豊作のようです。山の動物たちは喜んでいることでしょう。



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 針葉樹と広葉樹が入り交じった森に到着して、オオツガタケが毎年発生する場所へ急ぎます。そして、木々の間から、地面に大きく黄色いカサを広げたオオツガタケが見えました。

やれ嬉しや、崩れもせずに待っていてくれたのです。

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 カサが開いたものばかりでしたが、合計9個、過去最高の収穫です。 
カサが開き切っていますが、腐れも虫食いもなく、まずまずの状態です。もう4~5日早ければと思いましたが、この時期まで残ってくれたのですから、大満足でした。

帰宅後は、天ぷらや、オリーブオイルでソテーに、煮物、焼き物にと、いろいろ調理して味わいました。それぞれに美味かったのですが、特にカサの天ぷらが絶品でした。味が良いのです。
どうもキノコは、天ぷらが最もキノコの風味を引き出すように思います。

そして、キノコはカサが開いたものの方が旨いことを改めて実感させられました。これまではカサが開く前のオオツガタケを食べていましたが、さほど(キノコ通のひとたちが言うほどには)美味いとは思えなかったのです。 怪我の功名というのでしょうか、採る時期が遅れたことで、オオツガタケの美味さを知ることができたのは、本当に幸いでした。


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 この森では、クリタケも出ていました。まだ若い、きれいなクリタケです。



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 倒木にはブナハリタケがビッシリと生えていました。独特の甘い香りがするこのキノコも天ぷらが美味い。フライにすると、まるで肉のような食感で、知らない人はそれがキノコとは思わないでしょう。



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 広葉樹の根元に、カサが白くてヌメヌメした小型のキノコが点々と出ていました。シロナメツムタケです。ナメツムタケには、発生順に、シロナメツムタケ、チャナメツムタケ、キナメツムタケがあります。このツムタケ三兄弟はいづれも食用になりますが、味は、発生順とは逆に、キナメ、チャナメ、シロナメの順だと私は思います。

いづれにせよ、三つのキノコは、それぞれに美味しいキノコです。



この日は体力的にはかなり疲れましたが、目的としたキノコが採れて満足な一日でした。こんなキノコ日和が出来るだけ長く続いて欲しいものです。

キノコ日記2016 10月①

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私がキノコ採りをする札幌の手稲(テイネ)山は、10月11日に初冠雪とのニュースがありました。例年よりも5日、昨年よりも2日早い雪の到来です。今年はキノコの発生が遅く、ようやく出始めたと喜んでいたら、キノコの季節が早くも終盤に来ているのです。急がねばなりません。

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 10月12日: 初冠雪の翌日、山へ入りました。今年は山の紅葉も遅れていますが、山麓ではナナカマドが紅葉しています。山の向こうに石狩湾や私が住む手稲の町が遠望できます。

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 山頂近くの森に行く途中の山道ではシラカバなどの木々が黄色く色付き始めていました。



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 目的の森に近い山道の脇に白っぽい小型のキノコが群生していました。誰かが採ったようですが、そのまま捨ててありました。食べられないキノコと判断したのでしょう。

これはツバササクレシメジなのです。柄にツバ(カサ近くの柄の周囲に付着したスカートのような薄い膜)があり、柄の下部にささくれたような付着物がある、その名の通りのキノコです。乱暴に採ると崩れてしまうほどの、もろいキノコなのですが、煮ると一変、シコシコした弾力性ある美味しいキノコに変身します。

登山者が行き交う山道の脇ですから目立つのですが、採られた形跡がありません。誰もが、食用であるとは思わないのでしょうね。私には好都合で、沢山採ることができました。



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 しばらく行くと、また山道脇にカサの表面が灰色で根元が膨らんだズングリとしたキノコが点々と出ていました。見るからに、これぞシメジという風な美味しそうなキノコです。

ハイイロシメジですね。でも残念ながらこのキノコは嫌な匂いと味で食用には不向きで、中毒することもあるそうですから、私はパスします。



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 森に入ってすぐに、先のハイイロシメジによく似た白いキノコを見つけました。真っ白で美味しそうですが、このキノコ(シロノハイイロシメジ)もハイイロシメジと同様のクセのある匂いと味(以前に試食済み)なので、パスです。




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 またまた白いシメジ風のキノコが株状に地面に出ていました。オシロイシメジです。このシメジもキノコ図鑑などでは要注意とされています。が、私は持ち帰ります。味にややクセがありますが、すき焼きなどでは気になりません。歯切れ良く美味しいキノコだと思います。



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 晩秋のキノコであるムラサキシメジが出始めていました。美しいキノコですが、味は残念ながら、土臭さがあり、美味いキノコではありません。歯触りは良いので濃い味付けにするとよいと思います。



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 毎年紹介している、私の好きなキナメツムタケも顔を出していました。このキノコもこれから出盛りとなり、秋遅くまで楽しませてくれます。
このキノコは味噌汁が最高で、とても良いダシが出ます。ただ、カサが開いて、カサ裏の真っ白なヒダが黄色~褐色に変色したものは土臭さが強く、味が落ちるので要注意です。



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 森の奥の私の秘密の場所に到着しました。今年はどうかと、ドキドキしながら見上げた斜面の倒木に、嬉しや、カサが良い具合に開いたナメコがビッシリと出ていました。
この倒木はかなり栄養があるらしく、初めて見つけた時は倒木表面を覆い尽くすほどにナメコが出ていました。あれから6年ほど経ちましたが、なおこれだけのキノコが出るのですから、嬉しい驚きです。普通は1~2年で消えてしまうのですが。



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 ナメコを採った後、近くの倒木へ行ってみると、こちらでは大きなムキタケが出盛りというところでした。ムキタケは水分が多いので、たくさん採ると重くて大変です。カサ裏のヒダが白いものを選んでビニール袋一杯で止めました。
ムキタケは味も香りもないのですが、つるりとした白い身がコンニャクのような食感で美味しい。



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 この倒木にはヌメリスギタケも出ていました。ヌメリの強い黄色いキノコで、このキノコによく似たヌメリスギタケモドキとともに、北海道では人気があります。



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 森を出て山道を下る途中、ササ薮の中に大型のキノコがチラリと見えました。よく見ると3本並んでいました。カサがナメコのように粘液で覆われており、柄にもヌメリがあります。
これまで見たことがないキノコです。
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 この写真は、昨年9月16日に採ったニセアブラシメジと思われるキノコですが、どうもこのキノコに似ているように思われました。この写真のキノコに比べると、上の正体不明のキノコは柄にササクレが目立ちますが、それは、そのキノコがすでにカサが大きく広がり、老化したためだろうと考えたのです。

昨年に採った写真下のニセアブラシメジ様のキノコは美味かったので、上の写真の正体不明のキノコは持ち帰ることにしたのです。



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 下る途中、渓流の脇で赤い実を付けたマユミを見かけました。ピンクの殻が弾けて朱色の種が飛び出ています。色はきれいですが、枝から長く垂れたツリバナのほうが風情があるように思います。


帰宅して、この日の夕食はすき焼きでしたから、採って来たばかりのキノコを鍋に入れて味わいました(女房と娘は嫌な顔をしていましたが)。どのキノコも(ムラサキシメジも)それぞれに風味があり美味しく食べました。正体不明のキノコも、味にクセはなく歯切れも良くて美味しかったのです。

食後、やはり気になって、キノコ図鑑を数冊、本棚から持ち出してペラペラとページをめくっていたら、「ありました!」。あの正体不明のキノコは何と、「マムシフウセンタケ」というキノコで、「現在、食毒不明」なので、「食用にしない」と記述されていました。

しかし、あのキノコは美味かったのです。そして、私の身体には何の不調も起こりませんでした。よって、「マムシフウセンタケ」は、私には食用キノコということになりました。これだから、キノコ採りは止められないのです。来年が楽しみです。

今年の紅葉

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 札幌の自宅の窓から見える手稲山が、この数日で急速に色付いてきました。例年よりも10日ほども遅れましたが、紅葉が始まったのです。


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 この日(10月18日)は、キノコ採りを休んで、山へ紅葉見物に出かけました。良く晴れて風もなく、絶好の日和です。山頂へと続く道路の両脇の木々は黄色を基調に様々に彩られて華やかな雰囲気に包まれています。



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 シラカバの林は黄金色に輝いています。



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 カラマツ林では、木の幹に絡み付いたツタウルシの紅葉が、暗い林を鮮やかな秋色に変えていました。



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 山の紅葉の主役であるハウチワカエデも秋の衣装に衣替えの最中です。深紅に紅葉するのも間もなくでしょう。



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 こちらではヤマモミジが鮮やかな紅葉を見せています。



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 山道を登る足下にもツタウルシが紅葉しています。きれいですが、触れるとかぶれるので見るだけにしましょう。



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 日当りのよい山道脇にヤマハハコの白い花がまだ咲いていました。この花は雪が降る頃まで枯れずに残っているのです。赤や黄の色彩が目立つ中で、この白い花は地味ながら、何か心に残りました。



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 ヤマハハコが咲いていた近くには、僅かながら、エゾノコンギクが咲き残っていました。私の好きなこの花も、来年までの見納めです。



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 ようやく山頂近くまで登って来ました。山頂へと続く森は紅葉、黄葉に包まれて、まるで燃え上がるかのような景観です。
今年のこの山の紅葉は、ここ数年では一番かと思いました。



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 頂上に着いて、眼下の山々を見下ろして思わず「すごい!」と声が出ました。まさに絶景です。
 赤、黄、緑と、油絵のような色彩の渦に山々が飲み込まれています。広葉樹と針葉樹が入り交じった、北国の山々ならではの秋色です。
山々の彼方の青い海は石狩湾、左手奥に小樽がかすかに遠望できます。

まもなく来る雪の季節の前に、山々が最後に見せてくれた錦の衣装を堪能させてもらいました。来年も山々の恵みを頂けるようにと、頂上にある小さな祠(ほこら)に手を合わせて、頂上を後にしました。



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 下る途中の頂上付近ではダケカンバがすっかり葉を落として枯れ木のような白い樹肌を青空にさらしており、ナナカマドも紅葉していた葉が落ちて、真っ赤な実だけが枝に残って、早くも冬の装いに変身していました。



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 山の尾根筋も強風を受けてダケカンバなどの広葉樹は裸木となり、静かに雪を待つ状態です。頂上から見下ろした山々の紅葉も、まもなく同じような風景に変わります。



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 頂上から見た、私が住む手稲の町です。写真の左上に長方形のプールのような池と、その横に広がる森や芝生の広場が見えますが、あれが私がよく散歩に行く、前田森林公園なのです。地上の森はまだ紅葉していません。
1000メートル余の手稲山と地上の違いの大きさを実感させられるのも秋ならではです。



山の紅葉の季節は短い。おまけに紅葉は気象条件に左右されますから、全山紅葉の見頃の時期に巡り会うことは、山の近くに住んでいても容易ではありません。この日のような、快晴、無風の絶好の条件で最高の紅葉を観賞できたことはとても幸いでした。




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 山から帰って2日後の今日(20日)は朝から雷を伴う強い風雨が吹き荒れています。そして、午後3時頃、窓を叩く音に気付いて外を見ると、大粒のアラレが降り注いでいるではありませんか。山を見ると、山頂はすでに白く雪に覆われていました。

山の、あの見事な紅葉はこれで終わりとなりましょう。山の紅葉は、まことに花火のようです。

トリ年の始まりにあたり

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明けましておめでとうございます。皆様に良き年となるようお祈り申し上げますとともに、本年もまたよろしくお願い致します。

こちら札幌は例年になく深い雪に埋もれていますが、穏やかな新年を迎えました。我が家の庭に設置した野鳥用の給餌台には早朝からスズメたちが集まり、賑やかに騒いでいます。

今年はトリ年ですから、まずは私がこれまでに出会ったトリの中から印象に残る鳥をご紹介して、新年の事始めと致します。

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 最初は酉年を代表して、おめでたいトリから。
 伊勢神宮内宮には神鶏、つまり古来より神様のお使いとして大事にされている鶏がいます。境内を自由に歩き回っていますが、さすがに気品がありますね。



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 次は、日本の国鳥であるキジです。北海道には残念ながら国鳥のニホンキジは生息していませんが、狩猟用として大陸から移入された亜種のコウライキジが繁殖しています。
写真のキジは我が家の近くの野原で見かけた繁殖期のオスのコウライキジ。太いポプラの切り株に乗って、まるで舞台に立つ歌舞伎役者のようなポーズで、大きな声でコッコウと鳴いたあと、バタバタと羽ばたいて見栄を切っていました。



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 こちらは初夏の野付半島の湿原で出会ったタンチョウの夫婦です。大きくて優美で品格ある鳥で、国の特別天然記念物に指定されています。この鳥こそ、おめでたい鳥の筆頭ですね。
白い身体に赤い頭頂部と、まるで日本の国旗のような配色で、キジよりもこの鶴のほうが国鳥にふさわしい。北海道だけではなく全国に分布していたなら、間違いなくこのタンチョウが国鳥に選ばれていたでしょうに。



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 タンチョウのように頭部が赤い小さな野鳥、ベニヒワです。窓際に設置したエサ台に飛来したので嬉しくて印象に残っています。写真はベニヒワのメスですが、オスは胸にも赤い羽があります。



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 喉元の赤い羽が際立つのが、草原の小鳥、ノゴマです。北海道に飛来する夏鳥ですが、「日の丸」とも呼ばれるのは、この喉元の赤い色のためでしょう。これはオスの特徴でメスにはみられません。
「日の丸」といえば、フィギュアスケートの羽生結弦選手が国際大会に優勝して、掲揚された国旗を見上げながら大きく口を開けて国歌を歌っているのを見て感動しました。思わず、日の丸のような赤い喉元を膨らませてさえずるノゴマを連想してしまったのです。

ノゴマは美声ですが、羽生君はどうなのか、一度聴いてみたいものですが、今後の彼の活躍を祈ります。



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 正月らしい美しい小鳥といえば、このキレンジャクが思い浮かびます。晩秋から冬にかけて群れとなって飛来する冬鳥です。尾羽の先が赤いヒレンジャクもいますが、札幌では前者が多いようです。
鳴き声も、まさに鈴を振るような可憐な声で、私の好きな小鳥です。今年もたくさん飛んで来て欲しいものです。



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 日本では北海道だけに生息するエゾライチョウです。森林の中をヒソヒソと歩き回っている鳥で、用心深くてなかなか写真を撮らせてくれません。それだけに、秋が深まる森で出会って撮影できたときはとても嬉しかったのです。今年も巡り会いたいと願っています。



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 春を告げる鳥には、ヒバリやカワラヒワ、ウグイスなどがいますが、私はこのアオジの、ゆったりとした美声を聞くと春の到来を実感させられます。早く彼の歌が聴きたいものです。



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 新年を迎えたとはいえ、外はまだ深い雪の中。本当の寒さはこれからです。そんな厳しい環境でも鳥さんは頑張っています。
 こんもりと雪を冠った庭木の上でスズメたちが身を寄せ合っています。私が与えるエサを待っているのです。

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 スズメは集団で冬を越しますが、ツグミは一羽での単独行動です。激しい吹雪にも身を伏せて耐えていました。
困難に耐え忍ぶ小鳥たちの姿にはいつも感動させられます。

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 冬を耐える小鳥たちには、雪よりも恐ろしい敵がいます。彼らを鋭い眼で狙うハイタカです。ハイタカが現れると、賑やかに鳴き交わしていたスズメたちは一瞬で鳴き止み、枝の茂みの奥に逃げ込み、庭は不気味な静けさに包まれるのです。
タカが去ったあとの雪上にはスズメの羽が散らばり血痕が雪を赤く染めていることもあります。

タカは縁起の良い鳥とされていますが、小鳥たちには死の使者なのです。



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 川の土手に立てられた不法投棄禁止の看板に止まって周囲を監視している(?)カラス(ハシブト)です。お前は警察の回し者かと、突っ込みを入れたくなりますね。

一般的にカラスは不吉な鳥と認識されがちですが、夜明けとともに現れ、夕暮れには山へ帰るということから、カラスを「太陽の使い」あるいは「神の使い」とする神話や伝承が日本だけではなく世界各地にあるということです。日本では神話に出てくる三本足の「八咫烏(やたがらす)」が有名ですね。

とにかく賢い鳥であることは間違いありません。
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 カラスは勇敢な鳥でもあります。自分よりも大きい鳥に対しても、縄張りを侵されると果敢に突撃します。この場合、相手をクチバシで突っつくのかと思っていましたが、足で蹴り付けるのです。
私も、巣から落ちたカラスのヒナを保護しようとして、背後から親ガラスに後頭部を蹴られた事がありました。
もしカラスが黒ではなく白い羽だったら、おめでたい鳥として大切にされたかもしれませんね。



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 最後は、空の王者オオワシで締めましょう。
流氷が接岸した網走沿岸の上空を悠々と飛翔するオオワシです。

酉年の初めに当たり、「燕雀安んぞ鴻鵠の志を知らんや」の心意気で、天空を行くオオワシのように、長くはない先を目指して今年も飛び続けたいと思います。

春近い札幌、頑張る野鳥たち

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立春を過ぎて1週間近く、暦の上だけではなく体感的にも春の気配を感じるようになりました。


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 晴れた日の早朝、我が家の正面に見える手稲山は朝日に照らされて、白銀輝く頂上近くの木々の姿もクッキリとして、キーンと澄み切った寒気が伝わって来る厳寒の装いでした。
この日の札幌市内の最低気温はマイナス6.1度でしたが、標高1000メートル余の山頂ではさらに低く、マイナス20度に近かったかもしれません。

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 同日の午前10時過ぎの山は早朝とは一変して、薄い靄に包まれていました。気温が上昇したのでしょう。この日(2月9日)の市内の最高気温はプラスの2.8度でした。顔にあたる空気が暖かく感じられます。春立ちぬです。



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 暖かさに誘われて、近所の公園に犬と散歩に出かけました。公園のポプラ並木もシラカバ林もまだまだ冬の姿ですが、空の青さに暖かさが感じられます。

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 この公園では冬期、園内に歩くスキーのコースが設けられています。公園の事務所ではスキーも貸してくれるので、若者もおじさん、おばさんも天気の良い日にはスキーを履いて元気で雪上を歩き回っているのです。


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 公園の管理事務所の軒に下がった小さなツララも、厳寒期の氷の刃の鋭さが消え
て、溶け出した水玉が連なって玉すだれのようになりキラキラと陽光に輝いていました。 




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 散歩から帰宅して、庭に設置した野鳥用のエサ台に給餌すると、さっそくスズメの集団が飛来して賑やかに食事です。終日氷点下の気温が続いた先月は、餌を食べるのも必死だった彼らですが、暖かい陽光を浴びて今日はどこか余裕が感じられます。



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 エサ台に来る野鳥はスズメが中心ですが、その他にも色々な鳥が来ます。このヒヨドリも常連です。スズメのペチャクチャしゃべりもかなりの騒音ですが、ヒヨドリのキーキーと甲高い鳴き声は遠くまで響き渡ります。



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 ムクドリも常連さんですが、この鳥もギャーギャーとうるさい。大きく鋭いクチバシを持つ気の荒い鳥で、ヒヨドリを追い払ってエサ台を独占することがしばしばです。



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 この、ずんぐりむっくりの小鳥はシメです。クチバシが太く、ヒマワリの種などもバリバリと噛み砕いています。まるで黒眼鏡をかけたヤクザの兄さんのようですが、見かけだけではなく気も強くて喧嘩にも強い鳥です。ところが、鳴き声はというと、チーチーという、小さく優しい声なので思わず笑ってしまうのです。



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 今年は珍しくアトリが来ています。秋には大きな群れで飛び回っていますが、エサが少ないこの時期は少数で行動するらしく、我が家の庭に来るのは2~3羽です。
おとなしい小鳥で、えさ場ではスズメにも遠慮がちです。



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 夫婦らしいカササギも来ました。ハトくらいの大きさでケシケシケシと大きな声で鳴きます。本来は朝鮮半島などに生息する鳥ですが、いつのまにか北海道にも住み着くようになったようです。気の強い鳥で、自分よりも大きなカラスにも喧嘩を売っているのを見たことがあります。



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 夕方が近づいて、庭では野鳥たちが少し早い夕食に夢中です。某国の旅行客の団体にも負けない喧噪です。

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 突然、鳥たちが一斉に飛び立ちました。庭は不気味な静けさに包まれました。鳥たちは近くの木の枝に止まって周囲の様子を見ているのですが、何事もなければ、またエサ場に集まってきます。

エサ場には、小鳥だけではなく、小鳥を狙う猛禽類や猫も現れるので、小鳥たちは食事の間も警戒を続けなくてはならないのです。この場合、仲間で群れになっているのは有利です。自分が気付かなくとも、仲間の誰かが危険を察知して逃げれば、みな一斉に逃げればよいのですから。
そんなわけで、一羽が飛び立つと遅れじと全員が続くのです。

イメージ 17 しかし、どんなに警戒していても、犠牲者は出るのです。ある朝、エサ場の新雪の上にスズメの羽毛が散乱して、新雪の一部が赤く血で染まっていました。多分、タカ(ハイタカ)に襲われたのでしょう。
 真昼でも氷点下の気温が続くと、エサ場に集まるスズメの中には動きの遅いものがみられるようになります。タカはそれを見逃しません。タカもまた食べねばなりませんから必死なのです。

一見、平和そうに見えるエサ台周囲の小鳥たちですが、体力が消耗する今が一年で最も過酷な時期なのです。でも、太陽の光が強まってきて、日照時間も長くなってきました。雪解けの春まで、あと一息です。
頑張ろう!

ハイタカ来襲

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 我が家の庭に設置した野鳥用のエサ台の周囲には今朝も多数のスズメが集まって賑やかに鳴き交わしながら食事の真っ最中です。
その騒ぎ声がピタリと止みました。


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 「はてな?」と、窓から庭を見下ろすと、ハトくらいの大きさの鳥が何かを食べていました。足下にはスズメの羽毛が散乱しています。

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 鋭い眼をしたハイタカでした。スズメを引きちぎって食べているところでした。撮影する私に気付いたか、すぐに低く滑空して隣家のマツの木の茂みに逃げました。

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 庭は静まり返って小鳥たちは一羽も見当たりませんでした。エサ台下の雪面にはスズメの羽毛に混じって赤い染みが残されていました。

今期は確認できただけで、今回をふくめて4羽のスズメが犠牲になりました。春までもう一息というとろまできましたが、スズメの受難はまだ続きそうです。

早春の札幌ー公園にて

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 ここ数日、急に気温が上がり一気に春めいてきた札幌です。暖かさに浮かれて近所の公園に散歩に出かけました。
自宅から徒歩で30分ほどの距離にある前田森林公園です。正面に手稲山を望む広大な敷地に種々の樹木が植えられ、芝生の広場や西欧風の庭園などがあり、散歩には最適です。



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 公園の入り口付近は積み上げられた雪から溶け出した水で、大きな水たまりが出来ていました。春ですねえ。



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 ついこの間まで、一面の雪原だった大広場は、雪がすっかり消えていました。うっすらと緑色に変わり始めた広場では、子供たちが元気に走り回っていました。私も、犬に引かれてよろめきながらも、久しぶりに土を踏みしめる感覚を楽しみました。



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 広葉樹はまだ葉を落としたままで、枯れ木のような状態です。地面には落ち葉や枯れ草がベッタリと張り付いています。長く雪に押さえつけられていたからでしょう。



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 地面のところどころから、落ち葉を押しのけるように植物の芽が萌え出していました。春の息吹が聞こえてきます。



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 日当りのよい場所では、フキノトウがたくさん出ていましたが、ここは公園なので採るわけにはいきません。早く山へ行かねば!



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 早春の花、福寿草が咲いていました。鮮やかな黄金色は北国の春一番に咲くこの花にふさわしい色合いだと思います。北海道の人はこの花が好きなようで、どこの庭にも植えられています。
長い雪の季節の終わりと花の季節到来を告げてくれるからでしょう。



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 キバナノアマナも春早くに咲く可憐な草花です。福寿草のような華やかさはありませんが、控えめで落ち着いた感じがして、私の好きな花です。「アマナ」という言葉通り、アイヌの人たちが好んで食用にしていたという山菜ですが、どこにでも生えているというわけではなく、むしろ数少ないようですから私は花を見て楽しむだけにしています。



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 純白のキクザキイチゲの花が咲いていました。まるで新雪のような汚れの無い高貴な感じがする白い花です。山では、雪が消えた山道で真っ先に咲いて私に山遊びの始まりを告げてくれる嬉しい花です。



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 日が当たる石畳の上で、冬眠から覚めたクジャクチョウが翅を広げて日光浴をしていました。長い冬が終わって、すっかりくつろいでいるようです。



平地では本格的な春が始まろうとしています。山はまだ雪に埋もれていますが、麓では雪解けが進んでいることでしょう。山菜の季節の到来も教えてくれた散歩でした。

雪解け進む札幌の手稲山より

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 札幌市の西方に聳える手稲(テイネ)山も雪解けが進んでいます。一ヶ月前までは全山が厚い雪に埋もれていましたが、今は山の中腹まで樹木が雪を覆い隠すようになりました。
いよいよ私の山遊びの季節が到来したのです。



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 4月26日、早春の山の息吹を求めて手稲山へ向かいました。
 雪がほとんど消えた山麓の林では、早くもエゾエンゴサクが咲き、甘い香りを漂わせていました。春が来たことを実感させられます。




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 カタクリも咲き始めていました。来週には林床一面がこの花で埋め尽くされることでしょう。



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 ナニワズが黄色い花を咲かせています。背の低い潅木ですが、雪の下から現れる緑の葉は夏には落葉してしまうので、地味ですがこの花は貴重な早春の花なのです。



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 雪が消えると芽を出してくるオオウバユリが葉を開き始めています。ツヤツヤした厚い葉に赤い葉脈がまるで血管のように広がっています。葉が大きくなるにつれて赤い葉脈は色あせてしまうので、この色合いが見られるのは雪解けの時期だけです。
花が咲くまで10年もかかるというオオウバユリです。大切にしたいものです。



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 登山道に入ると、クマ注意報の看板が。この付近でクマが目撃されたとのこと。日付を見ると、何と今日ではありませんか! きっと朝早くだったのでしょう。
そういえば、2年ほど前の今頃、この近くの山林の湿地の泥の上にクマの足跡があったことを思い出しました。同じクマさんなのか?



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 山道脇の林にはまだ雪がかなり残っていました。クマの足跡があるかもしれませんが、探すのは止めました。



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 峰々から流れ落ちる雪解け水を集めて、山道脇の増水した川水は勢いよく流れ下って行きます。



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 雪が解けた林の木の枝に白いビニール袋がぶら下がっていました。ハテ?何だろうと近寄ってみると、それは袋ではなくて、泥が付いた雪のかたまりでした。
冬のあいだ、重い根雪の下敷きになっていた木の枝が、雪解けとともにエイヤッとばかりに残雪をはねのけて立ち上がった時に、枝を包むように付着していた雪の一部も同時に持ち上げられたのでしょう。細い枝ながらその弾力、強い生命力に脱帽です。



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 雪が消えたばかりの地面に何やら赤い花が?と思ったら、小さな赤いキノコでした。お椀のような面白い形です。これぞ、雪解けの時期に出るベニチャワンタケです。雪が残っていれば一段と華やかだったでしょう。
英語名は、スカーレット・エルフ・キャップ(妖精のような緋色のキノコ)、何とも優雅な名前ですね。



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 倒木の上に小さなエノキタケがありました。このキノコは別名ユキノシタとも呼ばれる寒さに強いキノコで、雪の下でも生長します。でも、雪が解けて日が当たるとすぐに乾燥してしまいます。


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 山道の真ん中に枯れ木が倒れていました。木の下には木屑が山盛りになっています。木の皮がきれいに剥がされています。
イメージ 14 よく見ると剥がされた木の上に黒い米粒のようなものが固まっています。ネズミの糞のようです。

どうやら野ネズミ(エゾヤチネズミ?)が雪の下の倒木の皮を食べていたのでしょう。冬眠しないネズミは冬のあいだ、雪の下に穴を掘り倒木の皮をせっせと食べ続けていたようです。



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 雪解けの水たまりにエゾアカガエルの卵が産みつけられていました。付近からはコロコロという柔らかで優しいカエルの鳴き声が聞こえてきます。
優しい声ですが、彼らは今、メスを求めてオス同士が激しく争っている最中なのです。



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 カエルの卵の近くには多くの場合、エゾサンショウウオの卵も産みつけられています。カエルの卵よりも大きく、太い筒状の膜に包まれています。

孵化したカエルのオタマジャクシは水中の枯れ葉や水苔を食べて生長しますが、エゾサンショウウオのオタマジャクシは肉食ですから、カエルのオタマジャクシを食べて生長します。ですからサンショウウオの母さんは子供のためにカエルの卵のそばで産卵するのです。



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 水中に細長い尾が見えたので引き上げてみるとエゾサンショウウオでした。しかし上半身の皮が剥がれ内蔵も露出していました。何かに襲われたようです。鳥か小動物の仕業でしょうか。半身が残っているということは、エゾサンショウウオはあまり美味しい獲物ではないのかもしれません。



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 山の中腹近くまで登ってきました。ここの山道脇の湿地に、水芭蕉の小さな群落があるのです。まだ早いかと思っていましたが、咲き始めていました。
登ってくる途中の汚れた残雪を見てきた眼には、水芭蕉の純白の苞(葉の変形)が一際鮮やかに、高貴に感じられました。



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 さらに上まで登ろうと考えていたのですが、頂上へと続く山道はまだ残雪が深いようです。雪崩の危険もあり、本日はここまでとしました。



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 下山の途中、林の中からカエルの鳴き声が聞こえて来ました。そこは昔、鉱山で働く人たちの住居があった場所ですが、今は草木が茂る林になっています。住居は撤去されていますが、当時、防火用の水槽にでも使われていたのか、所々に1m × 2m、深さ1mほどのコンクリートの水槽が残されており、中には水が溜まっています。その中にカエルがいるので、写真を撮ろうと近寄ったところ、とんでもないものが見つかったのです。



イメージ 23水が30cmほど貯留した水槽に動物の死体が浮いていたのです。

イメージ 24 ネコかと思いましたが、引き上げてみたらタヌキ(エゾタヌキ)でした。どうして転落したのかわかりませんが、水槽のコンクリート壁は垂直なので這い上がることができなかったのでしょう。
 キツネなら苦もなく飛び出せたでしょうが、短足のタヌキには無理だったのです。

水位は高くはないものの、夜は氷点下まで下がる水中に長く浸かっていれば、寒さに強いタヌキといえども耐えきれなかったのでしょう。

新しい生命の誕生で活気づく一方で、終わる生命もある春の山でした。



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 山を出て町へ向かう途中の民家の横では、エゾヤマザクラのツボミが膨らみ、花が一輪、開花していました。いよいよ、本格的な北国の春の訪れです。

石狩原野の春

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 石狩湾に面した広大な石狩平野は明治時代初期から大規模な開拓が進み、今や、その中心地には人口200万人に迫る大都市札幌の街が広がっています。(この写真は昨年6月に手稲山から撮影したもの)



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 大都会札幌も、少し郊外に出ると、まだ昔の石狩原野の面影を残す場所が散在しています。
 連休後半の5月3日、自宅から徒歩30分ほどの距離にある札幌の新川の堤防あたりまで犬と散歩に出かけました。川向こうの原野は雪が消えて早春の景色に変わり始めていますが、彼方に見える道北の山々はまだ雪景色です。
 



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 新川の河川敷は冬のあいだは市内の除雪した雪を春まで保管する場所となっています。山のように積み上がっていた雪も今はほとんど解けて、僅かな残雪を作業車が処理していました。

 「新川」とはいうものの、この川は明治時代に耕作地の排水や洪水対策のために作られた人工河川で、川筋は河口近くまで、運河のように直線状です。秋にはサケも登ってきます。




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 河口に近づくと、新川本流に支流から濁った水が流れ込んでいました。この支流は手稲山の麓から流れ出ているのですが、川水はいつも茶色に濁っているので、その名もずばり、「濁川(にごりかわ)」と呼ばれています。




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 春のこの時期、濁川には本流からたくさんの鯉が乗り込んできます。産卵のために集まって来るのです。



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 河口近くの林の入り口に「バッタ塚」への案内の看板がありました。行ってみましょう。



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 原野の中に木の柵で囲まれた場所があり、柵内にはササや枯れ草でおおわれて波打つようにこんもりと盛り上がった地面が見えました。これが「塚」なのでしょうか?



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 柵の脇に説明書きがありました。説明用の看板が古くて読みづらいのですが、大体わかりました。

今でもアフリカなどで発生するバッタの大群による農作物の被害が、北海道でも古くから発生していたのですね。「飛蝗(ひこう)」と呼ばれて世界的に恐れられた大災害です。

この塚は明治16年に札幌地区で発生した飛蝗被害の時に、被害の再発を防ぐために、地中に産みつけられたバッタの卵(卵嚢)を掘り出して集め、養分の乏しい砂地のこの場所に列状に並べ、その上に両側から砂を25cmほど掛けて埋めて塚としたそうですが、大変な作業だったことでしょう。埋めるよりも焼却すれば良かったのではないかとも思いますが。それにしても一体、どれだけの数の卵嚢があったものやら...。



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 バッタ塚の周辺は整備されて小さな公園になっています。ちょうど、エゾヤマザクラが見頃を迎えていたので、愛犬と一緒にしばらく花見を楽しみました。



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 小高い丘を登ってみると、石狩湾の向こうに、留萌、天塩方向に連なる道北の山々が見られました。まだ深い雪に閉ざされているようですが、よく見ると雪解けが進んでいることがわかります。



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 濁川の土手に沿って、草木が芽吹き始めた原野の中を帰りました。正面に聳える手稲山も雪解けがずいぶんと進みました。



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 原野の潅木林の中にフキが群生していました。今年は雪解けが遅かったためか、フキの生長は遅れているようですが、伸びたものを選んで採りました。
今年の初物のフキですが、瑞々しくて香りあり美味でした。

各地の行楽地は連休で賑わっていたようですが、原野をぶらつく物好きは私くらいだったようで、のんびりと春の野遊びを楽しむことができました。














 

山菜採りに春山を歩く

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 私の住む札幌で一番高い山、手稲山(標高1023.1m) にも春が来て、山麓は新緑が目立ってきました。山菜採りの季節です。



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 よく晴れた5月9日、山菜を求めて山へと向かいました。手稲山の麓の森は様々な広葉樹の新芽が芽吹いて、この時期だけの春の衣装に包まれています。

俳句の季語で「山笑う」と表現される、のどかで明るい春の山の淡い彩りは、「山装う(よそおう)」と表現される、秋の山の燃えるような紅葉とはまた違った風情があります。



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 山に入ると、平地では散ってしまったエゾヤマザクラが咲き残っていました。




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 高い木の梢あたりでは新芽がまるで紅葉しているかのように赤く芽吹き、その先には黄色い花が見えました。以前にも紹介した樹木ですが、未だに何の木かわかりません。




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 フキノトウの花にクジャクチョウが来て蜜を吸っていました。冬眠から目覚めた頃にくらべ、動きが活発です。




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 雪解け水が流れる渓流の脇の淀みでマガモの夫婦が休んでいました。濁り水の沼や川で普通に見られるカモですが、山中の清らかな水面に浮かんでいると、まるで別の鳥のような気品が感じられます。




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 狙いの山菜が生える場所に到着です。小さな谷間ですが、その入り口付近の立ち木にはクマさんの引っかき傷が残されています。
 初めて発見したのは7~8年前です。直径10数センチの、さほど太くはない木ですから、たぶん子グマだったのでしょう。コクワ(サルナシ)を取るために木登りしたようです。
 でも、まだ生きているとすれば、かなりの大熊に生長していることでしょう。




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 雪が消えた谷間の斜面には、いろいろな山菜が生えます。




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 雪が消えて間もない斜面に、この日のお目当てのアズキナ(ユキザサ)が点々と顔を出していましたが、これらはまだ出たばかりで採るには少し早い。

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 日当りのよい斜面に出たアズキナはちょうど良い状態に伸びていました。これで、本日の第一の目的は達成です。
 アズキナはクセがなく、甘くて柔らかくて美味しい。私は茹でてマヨネーズ和えで食べるのが好きです。

少し不思議なのは、この谷に多く住むシカが、アズキナを食べた形跡がないことです。草食動物である彼らが敬遠しているとすれば、私たちも、あまり大量に食べないほうがよいかもしれません。




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 雪解けとともに出てくるオオハナウドも私の大好物。強烈な匂いがありますが、天ぷらにすると気にならず、とても美味しい。
 採り始めた頃は、写真のような出たばかりの香りの弱いものを選んで採っていましたが、今では葉が開いたものの方が、匂いが強いものの味にコクがあって美味いと思うようになりました(料理法は天ぷらが一番)。

 娘によれば、この匂いは最近人気が出ている香草、パクチーに似ているそうです。

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 オオハナウドは生長すると2mくらいにもなり、白くて大きな花を咲かせるので目立ちます。大きな花は実際は小さな花が集合したものです。




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 ヨブスマソウも出ていました。苦みが強いものもあるので、私は、茹でてから(茹でると鮮やかな緑色になる)水にさらしてフキのように煮て食べています。シャキシャキした食感で美味しい。




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 アイヌネギ(ぎょうじゃにんにく)がありました。しめたと思い近づいたら、葉の先が何者かに齧り取られていました。ウサギか鹿か? それでも食い残しているところを見ると、あまり美味しくなかったようです。
 ネギ類は馬が食べ過ぎて溶血生貧血を起こすこともあるほどですから、野生動物たちは用心しているのかもしれません。




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 コゴミ(クサソテツ)も顔を出しています。もう少し伸びて欲しいところです。
コゴミはアクもないので調理は楽です。煮たり炒めたり、どのような料理にも合います。





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 トリアシショウマがツンツンと出ています。一見すると食べられそうにも思えませんが、これがなかなかに美味いのです。私は主に天ぷらや油炒めで食べますが、まったくクセがなく味も食感も良いのです。





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 目的の山菜が採れたので谷を出て、山道を少し登ってみました。山道の雪はすっかり溶けていましたが、斜面から流れ下る雪解け水が山道を横切って勢い良く谷川へと流れ落ちていました。




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 山道脇の斜面には残雪がかなり見られ、この辺りはまだ早春の光景です。





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 雪解け水が岩を咬みながら激流となって流れ下る谷川の脇に水しぶきを受けながら、春を告げる花、エゾノリュウキンカが咲いていました。




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 川岸にはエゾエンゴサクも花盛り。私の大好きな花です。春の山の嬉しい光景です。





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 渓流脇のこの付近は、良いフキが採れる場所ですが、まだ残雪が多く、フキノトウが出ているだけでした。フキが生長するのは半月ほど先になりそうです。この日はここまでにして、下山しました。
 山菜は生長が早い。これから次々と出てくることでしょう。私の山歩きも忙しくなります。

山菜求めてブラリ山歩き

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 札幌の手稲山も中腹はすっかり新緑に覆われ、早くもエゾハルゼミが鳴き出しています。
5月20日: ここ数日、夏のような陽気が続いたのでフキやウドも伸びていると思い、山へ向かいました。



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 山麓の山道を袋をかついで下ってくる老人に出会いました。たくさん採れたようでニコニコと上機嫌でした。
 山菜採りは朝早く出かけるのが普通ですが、私は大体、晴れて日が高く上がった頃に山に入ります。その時間帯ならクマさんは寝ているでしょうから...。



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 山道に50cmほどのヘビ(ジムグリ)が長々と身体を延ばしてくつろいでいました。ヘビも私と同じく、日が上がると山道に出てくるようです。夜間に冷えた身体を日光浴で暖めているのでしょう。顔を見ればわかるように、おとなしいヘビです。



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 山道脇に咲いたタンポポにミヤマカラスアゲハが来て蜜を吸っていました。豪華な雰囲気のチョウです。
 カラスアゲハに似ていますが、後ろ翅の裏にカラスアゲハには見られない白い帯が見えますからミヤマですね。



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 早春の白い花、キクザキイチゲは終わり、今はニリンソウが山のいたるところで咲いています。山菜としても食べられていますが、芽出しの頃の葉は猛毒のトリカブトに非常に似ており、誤食による死亡例が2~3年前にも報じられていました。



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 シラネアオイも咲き出しました。栃木県の白根山に多く見られ、アオイの花に似ていることから名付けられたそうですが、手稲山ではあちらこちらに群生しています。



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 私の好物、オオハナウドは山麓ではすでに大きく葉を広げています。こうなると食べられません。



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 日当りの良い場所ではウドが出始めていました。本日の狙いの山菜です。ウドは酢みそ和えだけではなく、天ぷらや炒め物など、どのように調理しても美味しい。私の大好きな山菜で、庭にも植えていますが、やはり山のウドが香りが高くて美味い。



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 山菜の王者としてもてはやされるタラの芽です。山道脇に生えているタラの木は芽が出るやいなや先端ばかりか脇芽まで取られてしまうので、立ち枯れている木が目立ちます。
私はタラの芽よりもウドのほうが数倍美味いと思っています。



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 この時期、山は小鳥たちの鳴き声で賑やかです。中でも声良し、姿良しの小鳥といえば、このキビタキでしょう。
 メスは地味な色合いですが、オスは写真のように派手な色彩で、薄暗い森の中でも目立ちます。歌声も素晴らしいのですが文字では現せません。ただ、歌の中に「オーシーツクツク」という特徴ある旋律が入るので、ああ、キビタキだと気付かされるのです。




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 山をかなり登ってきました。この辺りの山道は前回(5月9日)来た時はまだ残雪に覆われていたのですが、もうすっかり雪は消えて、フキも生長していました。ここでフキ採りです。



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 コゴミ(クサソテツ)も生長して、その名のように葉が開いてソテツの葉のようになっています。先端の葉が丸まっているあたりはまだ柔らかいので食べられます。



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 ヤマブキショウマが出ていました。東北地方では人気ある山菜だそうですが、北海道では食べる人は少ないようです。苦みが強くて薬臭い匂いのためかもしれません。
私は茹でたあと一晩、水にさらして苦みを抜き炒めて食べています。歯触りよく美味しいと思います。



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 本日の収穫。右はヤマブキショウマ、左はトリアシショウマです。トリアシショウマは前回紹介したとおり、そのまま天ぷらや炒め物などで美味しい山菜です。



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 本日の収穫。左がウド、真ん中がヨブスマソウ、右はフキです。
この日は寒くもなく暑くもない、絶好の山菜採り日和でした。身体まで山の新緑に染まったような気持ちよい一日でした。




 

残雪の山へ山菜採りに

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 札幌の手稲山も山麓はすっかり緑に包まれて、初夏の装いとなりました。山麓の山菜は生長してしまったので、好みの山菜を採るには雪が残る頂上近くの谷まで登らなくてはなりません。

5月29日、今年最後となるかもしれない、この山の山菜を求めて山頂を目指しました。



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 山麓の山道で、素早く飛び回るルリタテハに出会いました。本州方面では普通に見られるチョウですが、北海道では多くはありません。



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 「ホーホケキョ」と小鳥の鳴く声が聞こえました。「ケキョ、ケキョ」と騒ぐので振り返ると、山道脇に密生するオオイタドリから木の枝へと飛び渡って鳴き続けるウグイスの姿が見えました。
普段はササヤブの中などで鳴いていて、めったに姿を見せませんから、これは珍しい。巣に何か異変が生じたのかもしれません。



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 緑陰の森の中では、一際目立つ赤い花、ムラサキヤシオ(ツツジ)が咲いていました。



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 渓流沿いの小道の脇には美味しそうなフキがたくさん生えています。透き通るような薄緑色のフキはナイフで切り取ると、切り口から水が滴り落ちます。このようなフキは美味い。
 ですが、何本も採るとかなりの重量になるので、採るのは下山の時として、まずは頂上を目指します。



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 日当りの良い草地にオオアマドコロが出ていました。生長すると葉が開いて弓状に湾曲した茎に、白い釣り鐘状の花が幾つも連なってぶら下がります。
 まだ葉が開く前の茎はとても甘い。私は茹でてマヨネーズで食べますが、甘過ぎるので2~3本で止めます。
多分、食べ過ぎは危ないと思います。



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 登る途中の山道脇にコシアブラの木がありました。美味しい若芽はやや葉が開き過ぎですが、このくらいなら大丈夫。甘みと旨味があり、天ぷらが一番美味いと思います。

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 さらに登ったあたりで見つけたコシアブラの若木。若芽はもう少し開いたほうがいいのですが、あと一日かそこらで大きく開いてしまうでしょうし、採るか、見逃すか、思案のしどころ。


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 コシアブラの近くで、ハリギリも芽吹いていました。コシアブラによく似ていますが、幹にトゲがあるので間違うことは無いでしょう。 食べられますが、コシアブラには及びません。



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 ようやく頂上近くまできました。雪が残る谷が本日の目的地です。初夏から早春へと、過ぎた季節を追いかけて、ここまで来ました。



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 登る山道の日当りのよい斜面にはヤマドリゼンマイが幾つも顔を出していました。
美味しい山菜ですが、食べるまでの処理が大変なので、見て楽しむだけです。



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 薄暗い山道の地面に小さなヒメイチゲが咲いていました。一円玉ほどの大きさの可憐な花です。山麓のキクザキイチゲはとっくに咲き終わっていますが、ここはまだ早春の風情です。




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 目指す谷に到着しました。雪はかなり溶けています。



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 溶けていると思った雪ですが、谷の日陰の場所では1メートルを超える雪が残っていました。やはり雪渓は油断ができません。



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 雪が残る斜面では山野草が芽吹き、雪解けの早春の光景が広がっています。



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 日当りのよい斜面には、食べごろのアズキナ(ユキザサ)がたくさん出ています。本日の狙いの山菜の一つです。暖かい陽光の下で丁寧に摘み取ります。



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 山麓では伸び切ってしまったヨブスマソウも、ここでは出て来たばかりの柔らかなものが幾らでも採れます。



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 コゴミはまだほとんど出ていませんでしたが、日当りの良い場所には採り頃の柔らかいものが見つかりました。



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 採ったヨブスマソウの一部です。東北地方ではボウナと呼ばれて、高級な山菜として扱われているそうですが、北海道ではあまり食べられていないようです。山のどこにも生えていますが、雪解けの頃に出て来るものが美味いと思います。
 私は茹でて水にさらして苦みを抜いたものを、フキと同じように煮て食べていますが、シャキシャキした食感で、フキとはまた違った美味さがあります。



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 コゴミとアズキナ(右)です。コゴミはまだこれから採れるでしょうが、こんなに良いアズキナは、今年はこれが最後でしょう。



下山の途中でフキを採ったので、背負ったザックはかなりの重さとなりました。ほどほどにしておけばよいのに、ついつい欲張って採り過ぎてしまうのです。
 また来年まで待たねばならないと思うと、採り過ぎも仕方ないのではありますが、帰宅後は足や腰が痛み、疲労困憊の状態でした。
 山菜採りで遭難死する老人が多いのもよくわかりました。 自分の体力を過信して失敗するのでしょう。気をつけたいと思いつつ、今月はタケノコ採りで頑張らねばと、再度の山行きを計画する懲りない老人です



 

山菜採りに初夏の山へ

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 札幌の手稲山は頂上付近の残雪も消えて、すっかり初夏の装いに替わりました。

6月13日、そろそろタケノコ(根曲がり竹の若芽)が出る頃です。今年の初物を狙って山頂を目指しました。


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 途中の山道でキアゲハがタンポポの蜜を吸引中でした。本州のキアゲハよりも色が白っぽいようです。



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 初夏を迎えて、多くの山菜はすでに生長してしまっています。甘くて美味でビタミンC が豊富といわれるアズキナ(ユキザサ)もすでに花が咲いていました。「雪笹」の名のとおり、ササに似た葉の上に白い粉雪が降り積もっているような風情の花です。

北海道の山では普通に見られるアズキナも、本州では亜高山地帯まで登らねば見られないとのこと。北海道に住んで本当に良かったと思います。



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 私の好きなヨブスマソウも、その名の由来となった三角形の葉を大きく開いています。三角形の形が、ヨブスマ(ムササビあるいはコウモリ)が空中を滑空する姿に似ているから名付けられたようです。でも、私は東北地方で呼ばれる「ボウナ」という名のほうがいいと思うのですが。

この山菜は茎が美味しく、生え始めの頃の、まだ葉が多くない時期、つまり食べごろの時期は、地上に棒を突き立てたように茎が伸びていて、まさに「棒菜(ボウナ)」の名にふさわしい姿です。この写真のように葉が開いてしまうと茎は硬くなって食べられません。



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 山道の脇に食べ頃のシャクが群生していました。葉が人参に似ていますが、味はミツバとセリを合わせたような爽やかな風味で、茎はシャキシャキと歯触りよく美味しい山菜です。葉が大きく開く前の薄緑色の若いものが美味しい。私は茹でてから、おひたしで食べるのが好きです。

注意点は、とてもよく似た毒草があることです。その名も「毒ニンジン」といいますが、これは茎に赤い斑点があるので区別は容易ですが、気をつけてください。



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 頂上近くの山道脇のコシアブラの若芽はちょうど良い具合に葉が開いていました。ただ、高く伸びた木のものは手が届かないので眺めるだけでしたが、その近くの若木にも出ていたので天ぷら用に採ることができました。

最近はコシアブラの人気が高く、町の居酒屋などでも法外な値段で山菜料理として売られています。このため山でも手当たり次第に採られています。コシアブラの木は折れやすいので、枝の先端の若芽を採ろうとして枝を引っ張ると簡単に折れてしまいます。
 無残な姿となったコシアブラの木を見るたびに、このままではタラノキ(タランボ)と同じ運命を辿るのではないかと心配になります。




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 薄暗い森の地面にギンリョウソウ(銀竜草)が幾つも咲いていました。葉緑素を持たず、菌に寄生して養分を得ている植物ですが、森の幽霊のようで気持ちが悪い。でも、何か惹き付けられる植物で、ついついカメラを向けてしまうのです。



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 森を抜けて明るい山道に出ると、電線にモズが止まってこちらを見ていました。警戒している様子です。クチバシに小虫をくわえているので、近くに巣があるのでしょう。
 羽毛が赤褐色ですから、アカモズです。5月頃に飛来する夏鳥で、モズよりも数が少なく、北海道では希少種に指定されています。



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 この時期、山を歩くと聞こえて来るのは「ポポ、ポポ、ポポポ」というツツドリの大きな鳴き声です。筒をポンポンとたたくような鳴き声から名付けられたのでしょう。「カッコー、カッコー」と鳴くカッコウの仲間です。カッコウが原野などの明るい環境を好むのに対して、ツツドリは山地や森を住みかとしています。

ツツドリはハトくらいの大きさの鳥です。森林の中の自分の縄張りを飛び回って大声で鳴いているので、その存在はすぐわかるのですが、姿は葉陰に隠れて見る事は困難なのです。

この日は、幸いにもスキー場脇の開けた場所にある大木の梢で鳴いていたので撮影できたのですが、かなりの距離があり、うまく撮れませんでした。 胸を大きくふくらまして、声を一気に吐き出すようにして鳴いていました。メスを呼んでいるようでした。



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 ツツドリを撮影していたら、突然、キョーン、キョーンという甲高く大きな鳴き声がして、カラスほどもある大きな黒い鳥が飛んできて木の幹に垂直に止まりました。
何と、天然記念物に指定されている巨大なキツツキ、クマゲラです。頭に赤いベレー帽を冠っているように見えます。大都市の中にある山でクマゲラに出会えるなんて、嬉しいことです。この山は背後に支笏洞爺国立公園へと連なる森林が広がっているので、野生動物も多いのでしょう。

 この日は狙いのタケノコは少し採れただけでしたが、貴重な鳥類にも出会えたので満足して下山しました。



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 6月17日、前回はタケノコがあまり採れませんでしたが、その後、雨も降ったのでもうかなり出ているだろうと考えて、再び山へ。
 この日は、晴天との天気予報だったのですが、山は深い霧に覆われていました。先を行く二人組も濃霧に不安を感じたのか何やら相談中でした。確かに、この霧ではクマさんが出て来てもおかしくはありません。



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 二人組は登ることを決断したようで、歩き出しました。私も彼らの後から続きます。このような時は、先頭に人影があると心強いです。



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 登るにつれて霧は薄らいできましたが、下界はなお厚い雲に包まれており、まるで飛行機の窓から見ているような景色です。



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 頂上近くは晴れて青空でしたが、眼下には雲が海のように広がっています。雲海ですね。良い眺めです。



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 狙いのタケノコは予想に反して、あまり採れませんでした。例年なら今が出盛りなのですが、ポツン、ポツンとしか出ていません。今年はダメな年なのか、これから出てくるのか。 また来週に期待しようと思い下山しました。濃霧はすっかり消えて、山は新緑に輝いていました。

初秋の山遊びーキノコはまだか

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 札幌の我が家の窓から見る手稲山も9月に入り、濃緑色だった山の色が心なしか色褪せてきたように感じます。山はもう秋の気配が漂っていることでしょう。山の秋を探索に出かけてみました。



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 山の麓の草地はススキが穂を出し、カンタンの鳴き声が聞こえてきました。



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 オニグルミも葉が黄色くなり始めています。実が房状に付いていますが、実の付きはあまりよくないようです。山の生き物には貴重な食べ物ですから心配です。



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 山道でコムラサキが休んでいました。このチョウのオスの翅は、見る角度できれいな紫色に輝きます。
夏の暑い日には山道のキツネの糞に群がっていたものですが、この日は1匹に出会ったのみでした。



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 登山道の入り口付近では北米原産のオオハンゴンソウの黄色い花が咲き乱れていましたが、この花は蜜が多いのか、クジャクチョウが何匹も集まっていました。
クジャクチョウは越冬するチョウですから、たくさん蜜を吸って体力をつけているのでしょう。



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 アキアカネが石の上で日向ぼっこです。山で夏を過ごした日本特産のこの小さな赤いトンボも、秋の始まりとともに平地へ移動して産卵活動に入ります。まさに秋の使者ですね。



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 山道にセミの抜け殻が落ちていました。エゾゼミでしょうか。夏の終わりを感じさせられます。
本州の田舎に住んでいた子供の頃はよくセミの幼虫を採って、それがセミへと羽化する様子を観察したものでした。子供たちは幼虫を「セミの馬」と呼んでいましたが、羽化したセミが抜け殻につかまっている様子はまさにセミが栗毛の馬に乗っているようでした。
北海道ではセミの幼虫やその抜け殻を見る機会が少ないので、子供たちに「セミの馬」の話をしても通じないのが残念です。



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 この時期、山道の脇では黄色い花が目立ちます。これはハンゴンソウの花です。雪解けの頃の若芽は山菜として利用されますが、苦みが強いので私は敬遠しています。



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 アキノキリンソウが咲いていました。山でこの花が咲くと秋が来ていると感じます。



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 キツリフネの花がゆらゆらと揺れていました。船を吊り下げたような花の形から名付けられたとか。この仲間には園芸品種として家々の庭に植えられているものもありますね。



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 エゾゴマナの白い花も咲いていました。キク科の植物ですから花は可憐な白菊のようですね。春に出る若芽がゴマの苗に似ているので名付けられたということですが、どうも植物の命名者は無粋な者が多いように思われます。



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 ミヤマセンキュウの白い花が、夜空に咲く花火のようにパッと開いていました。



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 私の好きなエゾノコンギクも咲き出しています。蝦夷地に咲く薄紫の野菊、ノコンギクです。



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 山道のあちらこちらでトリカブトが咲いていました。咲き始めは濃い紫色ですがやがて淡い青色に退色します。有名な毒草で、特に根に強い毒性分があるので、アイヌは根をすりおろして矢の先に塗り、クマを射たのです。トリカブトの毒は産地により強弱があり、道内では銭函産が最強ということで、昔は全道のアイヌが銭函にトリカブトを採りに来たのだとか。
銭函は手稲山のすぐ近くですから、写真のトリカブトも毒性が強いかもしれません。アイヌは毒の強弱を、舌先でごく少量をなめてみて、ピリッとくる度合いで判別したそうですが、危険なことをするものですね。
大変苦いようですが、飲むとごく微量で最初に肺が止り、ついで心臓が止まるというから恐ろしい。毒成分は根だけではなく、葉にも花にも含まれるそうですから、この花も見るだけにしましょう




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 森の小道は盛夏の頃にくらべてずいぶん明るくなったように感じられました。小道には落ち葉が多くなっています。もう2~3週間すれば紅葉が始まることでしょう。




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 何と、もう紅葉し始めている葉がありました。ハウチワカエデですが少し早過ぎではありませんか、カエデさん。



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 森の中では、ツチアケビの赤いソーセージのような実も大きくなってきました。ラン科でありながら葉緑素を持たず、ナラタケ(ボリボリ)菌に寄生して生長するという奇妙な植物です。
ナラタケ菌は強力で、この菌に取り憑かれた木は養分を吸い取られて枯れてしまうのですが、そのナラタケ菌から養分を横取りして生長するツチアケビというのも、相当な悪ですね。




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 山道脇にハンノキイグチが出ていました。私には、キノコシーズンの開幕を告げてくれるキノコです。美味というわけではありませんが、クセのないキノコでどんな料理にも合います。



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 ナラタケ(ボリボリ)も顔を出しています。このキノコはいろいろなタイプがありますが、写真のタイプが柔らかく、歯切れも良くて美味しい。出始めで、変色や虫食いがないのが嬉しいのですが、わずかに4本とは寂しい。このキノコは一カ所に何本も生えるものなのですが...。



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 カラマツ林へ行ってみました。本日の狙いのキノコ、ハナイグチ(ラクヨウ)が出ているのではと期待したのですが...
出てはいましたが、あちらにポツン、こちらにポツンという程度で、期待ハズレに終わりました。

このところ、朝晩の気温が下がっているので、もう良い頃合いだと考えての山行きでしたが、キノコにはやや早かったようです。でも、少しながらも出てはいるので今後に期待して下山しました。

秋の山遊びーキノコはどこへ

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 札幌の手稲山も秋が進んでいます。例年であれば色々なキノコが踊り始めている楽しい季節なのですが、今年はどうしたことか、姿が見えません。
9月16日、素晴らしい秋晴れの中を、キノコを求めて私の遊び場所である手稲山へ出かけました。
山麓の草地ではススキの穂も開いて、さわやかな秋風に揺れています。きっとキノコたちも顔を見せていることでしょう。



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 山道脇の木に巻き付いたヤマブドウの葉も色づき始め、濃紫色の実が垂れ下がっています。


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 山道脇の排水用の側溝が新しく整備されていました。ふと覗いてみると、U字型の底に動くものがあります。

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 青光りする金属的な光沢のメノコツチハンミョウが、交尾したままうろうろと動き回っていました。どうやら側溝に転落したらしく、這い上がれないのです。


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 ミカドフキバッタもいました。跳躍力のある昆虫ですから、底から跳び出せるように思われますが、20cmほどの深さの側溝の垂直の壁を飛び越すのは困難のようでした。
その他にもセンチコガネやコクワガタなどが底でもがいていました。


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 昆虫だけではなく、カナヘビもいました。この連中は垂直の壁も平気で上り下りできるので、側溝に転落したのではなく、転落した虫を食べるために側溝に入るのでしょう。



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 山道にはオニグルミがたくさん転がっていました。今年は不作かと心配しましたが、例年通りの出来のようで、山の動物たちも一安心というところでしょう。
オニグルミの実を足で踏みつけると、中から固いクルミが出てきますが、その表面は黒く汚れています。
実の皮の裏の黒い繊維部分が付着しているのです。



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 山道にはドングリも落下していました。これも山の鳥獣の大切な食料です。



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 山道を走る小動物がありました。木の枝に登ったのは、クルミをくわえたエゾリスでした。雪の季節を前に、セッセと食料集めの最中でした。



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 50mほど前方の山道脇に何かを探して食べている動物の姿がありました。側溝のある場所です。ややズングリした体形なのでタヌキかと思ったのですが、キツネでした。

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 撮影するにはやや遠すぎるので、少しづつ近寄ると、こちらに気付いたキツネがトコトコと近寄って来ました。
まだ若そうな、栄養状態の良い、きれいな毛並みのキツネです。何か物欲しそうな顔で私を見つめていましたが、やがて山道脇の茂みに消えて行きました。
この山道は登山者や山道整備の関係者の往来が多いので、あるいは食べ物をもらっているのかもしれません。それに、側溝にはキツネのエサとなる昆虫やトカゲなどが落ちているので、それらを狙っているのかもしれません。
どちらにせよ、人通りのある山道は山の生き物にも利用されているのです。



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 さて、本日の狙いだったキノコは、ほとんど見つかりませんでした。
これは、山道脇の草むらに出ていたツチスギタケですが、このキノコは中毒することもあるというので私は採りません。



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 立ち木の根元近くにナラタケ(ボリボリ)が出始めていました。



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 日当りが悪い山道にオシロイシメジが出始めていました。



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 山道のところどころに、白い菌糸が、カビのように広がっていました。菌糸が集合してキノコが出来るのですから、もうしばらくすると、山はキノコ祭りの状態を迎えることになるでしょう。それを期待して、一本のキノコも持たずに山を下りました。  

紅葉とキノコー晩秋の札幌

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 我が家の窓から眺めた手稲山は、朝日を受けて赤く輝いていました。ここ数日の朝晩の冷え込みで紅葉は山麓にも広がって来ました。うかうかしていると、たちまち色褪せて散ってしまいます。



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 晴天の10月14日、手稲山へ紅葉見物に出かけました。山麓ではまだ青い葉も散見されました。


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 登るに連れて木々の葉は鮮やかな赤や黄色に彩られ、山道は明るく華やいでいます。


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 札幌の山の紅葉は、イタヤカエデやシラカバ、ダケカンバの黄色が中心です。

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 さらに、真紅のナナカマドが存在感を示します。

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 そして、赤や黄色の様々な色合いのハウチワカエデ(メイゲツカエデ)やヤマモミジが加わって、山は燃えるような紅葉に包まれるのです。


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 黄、真紅、赤に加えて、山の落葉樹の葉はそれぞれに特有の色合いに変色します。
コシアブラの葉は白に近い黄白色に変わります。それらの色調が混在する中で、エゾマツやトドマツのような針葉樹は深緑色のままです。落葉樹の紅葉は常緑樹の針葉樹の存在によって一段と華やかになり、豪華な秋の山の衣装が出来上がるのです。



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 山の8合目付近まで登って来ました。振り返ると眼下に遠く石狩湾が広がり、山裾から頂上へと続く斜面は紅葉で覆われてています。


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 頂上直下の斜面の森の紅葉は今が盛りのようです。快晴の空の下で山が燃えています。


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 頂上へと向かう小道には雪が残っていました。この山は例年よりも早く、10月5日に初冠雪が観測されていますが、その名残でしょう。



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 頂上に着きました。連なる峰々の紅葉と石狩湾の青い海とのコントラストが素晴らしい。

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 眼下に広がる石狩湾の左前方に、かすかに小樽の高島岬が遠望できます。
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 赤、黄、緑と、木々の葉が様々に織りなす山々の豪華絢爛たる秋の衣装にただただ圧倒されて、1時間ほども眺めていました。この日は晴天で風もなく暖かくて、最高の紅葉見物をさせてもらいました。



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 昨年に続いて今年も見事な紅葉を見せてくれた手稲山に感謝しつつ、山を下りました。
途中の山道脇で晩秋のキノコを探しました。まず見つけたのはハイイロシメジです。姿のよい、きれいなキノコですが、残念ながら味にクセがあり(不快な臭い)、中毒することもあるというので採りませんでした。



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 落ち葉の下からキナメツムタケが顔を出していました。美味しいキノコで、味噌汁にするとよい出しが出ます。ただし、カサが開いてカサ裏が茶色く変色すると土臭さが出るので、カサ裏が白い若いキノコを選んで採ります。



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 倒木にムキタケが出ていました。晩秋のキノコの代表格ですが、今年はあまり見かけません。ムキタケに限らす、今年のこの山のキノコは近年稀なほどの不作でした。



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 枯れた立ち木にエノキタケが出ていました。滑りのある美味しいキノコです。



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 ヌメリスギタケモドキがまだ出ていました。ヤナギの木によく出るのでヤナギマツタケなどとも呼ばれる人気あるキノコです。



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 渓流の側の倒木にナメコが出ていました。これは嬉しい。丁寧に一本づつ切り取りました。



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 本日の収穫です。オシロイシメジ、キナメツムタケ、ナメコ、エノキタケ、ムキタケ、ヌメリスギタケモドキで、これが今年最後のキノコとなりそうです。



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 今朝(10月18日)、山を見たら、山頂は雪景色! 山頂の紅葉に感激してから5日目で山は冬景色になりました。眼に焼き付いているあの紅葉は一瞬で終わってしまったようです。
これから長い冬の季節が始まります。

札幌にも春が来た!

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 我が家の窓から眺めた今朝の手稲山です。冬の間は全山が厚く雪に覆われていましたが、今や山の中腹では木々で積雪が隠されるほどに雪解けが進んでいます。

五合目から上はまだ雪がたっぷり残っています。ところどころ山を切り裂くように白銀の斜面が広がっていますが、これらの斜面は1972年に開催された札幌冬期オリンピック大会のスキー競技会場として森林を伐採して造成されました。

写真の右上に頂上から下へと伸びる細長い斜面が見られますが、これが男子大回転コースの跡です。急峻なコースであり、オリンピック終了後は使用されませんでした。

写真の左端に幅広い斜面が見えますが、女子大回転コースです。このコースはオリンピック後も一般に開放され、現在も使用されています。

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 自室の窓から双眼鏡で女子大回転コースを眺めると、ゴマ粒のような人影が斜面を滑り降りているのが確認できました。今日は良く晴れて風もありませんから、気持ちよく春スキーを楽しんでいるようです。羨ましい。私も30年ほど前はこのコースで熱心に滑っていたものでしたが。
今は、人生がスキーのように早く過ぎ去ることを実感させられています。



イメージ 3 我が家の庭の雪もここ数日で雪解けが進み、通路はほぼ雪が消えました。通路の両側に積もった雪から溶け出した雪解け水で水たまりが出来ています。


イメージ 4 一ヶ月前は庭は厚い雪にスッポリと埋もれていました。特に寒さが厳しく感じられたこの冬ですが、それも過去の出来事となりました。



イメージ 5イメージ 6 ベランダの下は日当りが良いためか、雪が消えて早くも福寿草が黄金色の花を咲かせました。間違いない春の到来です。嬉しい!



イメージ 7 冬の間、庭に設置した餌台で必死でエサを食べていたスズメたち。


イメージ 8 そんなスズメを狙って飛来するハイタカ。



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 冬の厳しい生存競争を切り抜けたスズメたちが、庭の雪解けで出来た水たまりで賑やかに水浴びをしていました。春の訪れが嬉しくてたまらないようです。

私も冬眠から目覚めました。また野に山にと、新しき出会いを求めて活動開始です。 

雪解け進み山菜顔出す札幌

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 昨日の札幌は5月頃の陽気となり、道路の雪はほとんど消えました。今朝も暖かく、我が家の窓から見る手稲山は春霞に煙っていました。夕方の気象情報では、本日、札幌市の観測地点における積雪が例年よりも8日早く 0になったと報じられていました。



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 10日前には、まだ雪で覆われていた小川沿いの小道(写真上)ですが、今日、散歩に行ってみると、雪は僅かに残るのみで地面が露出していました。心が浮き立ってきます。



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 前方から子供たちの賑やかな声が聞こえてきました。近所の保育園の園児たちが保母さんに引率されて散歩から帰る途中でした。残雪は園児たちにはまだまだ深過ぎるらしく、転ぶ子もいて、そのたびに笑い声が起きていました。
この保育園は真冬でも天気がよければ園児を屋外で遊ばせる方針のようです。保育士さんは大変でしょうが、子供たちは幸せだと思います。



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 小道からシラカバ林に入ってみました。この小さな林は雪解けの一時期、林床が雪解け水に浸されて池のようになります。晴れた日などは水面に白いシラカバの樹影が映り込み、幻想的な風景となるのですが、今日はまだ雪が残っており、シラカバの湖を見るには少し早かったようです。



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 林内の木々はまだ枯れ枝のような状態ですが、バッコヤナギは銀ネズ色の花穂が大きくなっていました。



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 小川の岸辺や雪が解けたばかりの草地にはフキノトウが点々と出ていました。春一番の食べられる野草(山菜)です。



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 雪の下から出てきたばかりのフキノトウは香り良く、天ぷらにすると苦みも少なくて美味しい。山菜シーズンの始まりを告げてくれる嬉しい春の味でした。

早春の札幌ー来る小鳥、帰る小鳥

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 札幌の手稲山にはまだ雪がたっぷり残っていますが、平地では残雪もほとんど見られなくなりました。

 春とはいえ、まだ風が冷たいこの日、近くの森林公園へ野鳥観察に出かけました。この時期は冬鳥や夏鳥の移動時期であり、いろんな野鳥との出会いが期待できるのです。 そして広葉樹はまだ葉を出さず枯れ木のような状態なので、野鳥の観察も容易なのです。



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 近くを流れる小川の上空を早い速度で滑空を繰り返す小鳥がいました。電線にもう1羽が止まっていました。

まあ珍しい。ツバメです。南国から到着したばかりでしょうか。本州方面なら町の中でも普通に見られる野鳥ですが、札幌では稀な鳥です(アマツバメは夏によく見かけますが)。北海道の家屋がツバメの営巣には不向きなことや、カラスなどの天敵が多いこともその原因かもしれません。




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 木立の中から、カサコソと落ち葉を踏む音がしました。静かに近寄ると、ツグミのような鳥がいました。シロハラでした。あまり人を恐れないようで、撮影に協力的でした。

この鳥は冬に日本に渡ってくる冬鳥ですが、主に本州南部で越冬して春になると繁殖地であるシベリア方面へ帰るということなので、今は帰国の途中ということなのでしょう。無事の帰国を祈ります。




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 公園の遊歩道を歩いていたら、歩道脇の背の低い針葉樹の茂みからチーチーとか細い鳴き声が聞こえてきました。小さな小さな鳥が2羽、チョコマカ忙しげに動き回っていました。もしやと思い、観察を続けていると、頭部に黄色い部分が見えました。
 間違いありません。キクイタダキです。初めてお目にかかる小鳥ですが、小さな鳥なので、これまで見逃していたのかもしれないと思いました。

我が国では最小(全長10cmほど)という、可憐な小鳥。頭部の黄色の羽毛が、なるほど黄色のキクの花びらのようです。

夏は山地の針葉樹林で繁殖するようですが、この小さな鳥を見つけるのは至難ですね。身近に観察できるのは今の時期しかないようです。



1時間ほどの、犬を連れての小鳥探しの散歩でしたが、思わぬ出会いが続いて満足しました。
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