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Channel: 札幌の自然日記
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野遊びー今日はフキ採り

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 5月8日、よく晴れて気持ちの良い日でした。こんな日は野で遊ぶのも一興です。そろそろフキが伸びている頃ですから、犬を連れて、近くの原野へ出かけました。

札幌市に住む私の自宅から40分ほど歩いて、フキが生える原野に到着です。遠くに残雪の手稲連山を望むここは、石狩湾の海岸に近い原野で、農家が点在している静かな場所です。右手に見える小さな川は山の麓から流れ出して、この付近で近くを流れる大きな川に合流して、まもなく海へと入ります。



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 野道で数羽のツグミがエサを探していました。写真以外にもたくさん居ましたから、かなりの群れです。冬鳥のツグミはこれから繁殖地のシベリア方面に帰るのです。



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 北へ帰る冬鳥がいれば、南方から渡って来る夏鳥もいます。川岸の草の茂みからせわしなく飛び出してきたのは、原野でよく見かける夏鳥のノビタキでした。写真はメスのノビタキで、地味な色合いですが、オスは頭部と顔が黒く、胸は橙色、腹部は白色で草原ではよく目立ちます。鳴き声も美しいのですが、この日は残念ながらさえずりは聞かれませんでした。



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 この日の目当てのフキは、川岸のあちらこちらに生えていましたが、柔らかそうなものはなかなか見当たりません。



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 フキを探していると、川面がなにやら波立つので見ると、大きな魚が水面に群れています。まるで池の鯉のよう。
どうやら、ボラのようですが40~50cmはありそうです。
この日は風がかなり強く、海も荒れていたので、穏やかな流れの支流に入り込んで来たのでしょう。



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 ようやく、原野の中で良さそうなフキの群落を見つけました。もうずいぶん伸びています。山ではまだまだですが、日当りよく暖かい原野では生長が早い。色も白っぽく、柔らかそうです。さっそく、持参のナイフで刈り取りです。



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 私は、フキを採る時は、2本に別れて生えているフキの外側のフキ(写真では右側)を切り取るようにしています。外側のフキ(外ブキ)は切り口が半月形で、食べるとシャキシャキ感があって私は好きなのです。
写真左側のフキ(中ブキ)は切り口が丸く、太いのですが、食感はモソモソしています。どちらも味(香り)に差はありませんから、これは好みの違いですね。



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 フキはいくらでも生えていますが、たくさん採っても始末に困るので、これくらいで止めました。無くなればまた採りにくればよいのですから。



今年初もののフキで、煮て食べました。美味しかったのですが、やはり山中の日陰に育つ山のフキのほうが美味いと思いました。日当りのよい場所ですくすく育ったものは何か物足りない気がします。
来週は山へ出かけねば!

今日は海遊びー久々の釣り

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札幌も野山は新緑に染まり始め、山菜のシーズンたけなわですが、海はどうでしょうか。カレイやホッケが釣れる頃なので、様子を見に出かけてみました。


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 自宅から近い石狩海岸です。雪解けの春霞に煙る背後の山々が右側でなだらかに下って海に入るあたりが小樽です。

海岸の草地はまだ枯れ草が多いですが、若草が生え始めています。初夏にはハマナスの紅い花が咲き乱れ、甘い香りに包まれるのです。

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 草原の夏鳥であるホオアカが上機嫌で歌っていました。美声のホオジロにくらべると歌は素朴ですが、のんびりした歌声は海岸の草原で聴くと心が安らぎます。



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 昨日はかなりの強風で海も荒れていたようですが、今日は穏やかな海です。この砂浜の海岸ではアサリなどの貝も採れるのですが、さすがにまだ海水温が低いので人の姿はありません。



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 防波堤に近づくと、ハクセキレイがお出迎えです。しかし、私を歓迎しているのではないことは、その緊張した顔つきからも明らかです。ときどき鋭い声で鳴いています。近くに巣があるのでしょう。海岸の護岸の石の隙間などに営巣します。



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 釣り場に到着です。砂浜から沖にまっすぐに延びた小さな防波堤が今日の釣り場です。
防波堤左側は外海で大きな波消しブロックが積み重なって連なっています。右側の岸壁は石狩湾新港の港内に面しています。

十年ほど前までは、ここは5月になるとカレイやホッケがいくらでも釣れて、小さな防波堤は釣り人であふれていたのですが、あれから魚たちはどこへ行ったやら、とんと釣れなくなりました。
というわけで、天気良く波も静かなのに、防波堤に釣り人の姿はほとんど見当たりません。今年もホッケは釣れていないようです。



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 先端近くで、二人の釣り人が波消しブロックの上から竿を振っていました。外海への投げ釣りで、カレイを狙っているようです。その横ではカラスが一羽、釣り人からのおこぼれ(雑魚)を待っていましたが、まもなく飛び去りました。やはり釣れていないのでしょう。



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 この時期は外海がよく釣れるのですが、折り重なった波消しブロックの上からの釣りとなるので、平衡感覚が鈍った老人には危険です。



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 内側の岸壁は安全ですが、あまり釣れません。岸壁の際を探り釣りする二人組がいますが、彼らの狙いはどうやら魚ではないようです。何を釣っているのかな? 釣ってもいいのかな?



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 岸壁から海面を見下ろすと、海中には大きな海草が茂り、壁面にはムラサキイガイがびっしりと張り付いています。これなら魚も居るに違いありません。今日はこの場所で釣ることにしました。



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 今日の狙いはアカハラ(マルタウグイ)です。竿一本でアカハラと遊ぶつもりなのです。アカハラは投げ釣りでも釣れますが、強くシャープな引きを楽しむなら、軽くて軟調の竿での一本釣りが一番です。そんなわけで、本日、用意したのはニシン釣り用の6mの長竿です。

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 岸壁にどっしりと腰を落ち着けて、仕掛けを付けた釣り糸を海底付近まで垂らします。柔らかい竿先が仕掛けの重さでへの字に海面に下がっています。この竿先がクイクイと引き込まれたら、それが魚がエサを食ったという合図ですから、大きく竿をあおって魚を鈎に掛けるという算段です。脈釣りという釣法ですね。

この釣りで重要なのは、寄せ餌をせっせと投入して、付近にいる魚を集めること。ですから、かなり忙しい釣りなので、竿は一本で十分なのです。



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 竿を上げ下げしていると、いつのまにかカモメ(ウミネコ)が一羽、こちらをじっと見ています。カラスと同じで、釣れた魚を狙っているのです。

 カモメが怖い鳥だと実感させられたのも、この防波堤でした。今から10年ほど前で、ホッケがよく釣れていた頃のことです。時期も今頃で、ホッケがどんどん釣れるのでつい帰りそびれて、気がついたら周囲の釣り人はみな帰ってしまい、夕闇せまる防波堤には私一人。
 あわてて帰り支度をしていると突然、ものすごい突風が吹いて来て、防波堤を歩く私の背後に風が打ち当たりました。その時の私の格好はというと、背に重い荷物を背負い、右手に竿、左手にクーラーボックスを下げていたので、バランスを崩して倒れ、岸壁のコンクリート上に顔面から激突してしまったのです。
 強い衝撃で、どうやら一時的に気絶していたようでした。ふと、周囲でミャーミャーという猫の鳴き声がするので、うつ伏せになった顔を横にして驚きました。カモメの群れに取り囲まれていたのです。
 冷たく不気味なカモメの眼を見て、瞬間的に、カモメが私を死体、すなわち彼らにとっての御馳走と思って集まって来たのだと思いました。危うく目玉をえぐられるところでした。
 ヨロヨロ立ち上がった私を見て、彼らは残念そうにミャーミャー鳴き交わしながら飛び去り、前歯を折って顔面血だらけになった私も必死の形相で帰路についたのでした。



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 30分ほどして、狙いのアカハラが釣れました。スマートなきれいな魚です。

 カレイやホッケはほとんど釣れなくなりましたが、アカハラはたくさん居るのです。しかし釣り人の多くはこの魚をバカにしていて、釣れても捨ててしまいます。理由は、小骨が多い上に、臭くて不味いから。アカハラを専門に狙うのはこの釣り場では私くらいでしょうね。

 しかし、実は釣れたての生きの良いアカハラは、塩焼きにすると大変美味なのです。刺身も美味い。ただし、食べて美味いのは、20cm~30cmくらいの若い魚です。40cmを超えると臭みがあり美味しくありません。釣れたのは25cmほどで、食べ頃のサイズでした。
 塩焼きは淡白な味ながら旨味があり、腹部には適度な脂もあって美味い。皆さんもぜひお試しあれ。



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 一匹釣れたので、さあ、これからだと竿先の動きを注視したのですが、どうしたことか後が続きません。ようやく釣れたのはアブラコ(アイナメ)でした。大きさは先ほどのアカハラと同じくらいで、これくらいのサイズならアカハラのほうがはるかに美味い。ということで放してやりました。アブラコは大きいものが美味いですね。



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 竿先がチョコチョコと小さく揺れました。小魚が遊んでいると思い、軽く合わせたら、強い引きです。よく走りますがアカハラとは違い海底へ潜ろうとします。アブラコのようなゴツゴツした引きでもないので、何だろうと思いましたが、上がって来たのは大きなウミタナゴでした。26cmで、ウミタナゴとしては大型です。これは嬉しい。

 ウミタナゴは多くの魚と違い、卵胎生であるため、卵はメスの体内で孵化し、生長した稚魚を産むのです。それも、数十匹以上のたくさんの稚魚を!
 そんなことから、この魚は地方によっては安産を祈願して妊婦に食べさせるという縁起の良い魚なのです。
 私事ながら、実は我が娘が妊娠中で、今月下旬が出産予定なのです。さっそく食べさせてやりましょう。海の神様の粋な計らいに感謝です。



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 次に釣れたのは30cmほどのカジカ(ギスカジカ)でした。あまり走らず、ただ重いだけなのでカジカだと思ったら、その通りでした。見かけによらず美味しい魚です。



 その後はバッタリと魚信が途絶えました。日が暮れて暗くなってきたので、そろそろ終わりにしようかと考えていた時、竿先がフワフワと上下しました。しかし、その後は竿先は動きません。海草にでも引っ掛かったかなと思い、竿を強く上げたところ、鈎が海底の岩にでも引っ掛かったのか、竿が持ち上がりません。あれまあ、地球を釣ってしまったと思った瞬間、糸がグングンと凄い力で海中に引き込まれていきます。

 リールがジジーと逆回転して糸が出て行きます。どうやら魚、それも相当にでかい魚のようです。6mの長竿を立てようとするのですが、何しろ柔らかい竿のため、大きく湾曲するだけで引き寄せることができません。右に左にとグイグイと引き込む魚に合わせて、岸壁上を行ったり来たりしていましたが、そのうちにピタリと動きが止りました。

 南無三!鈎が岩に掛かってしまったか? 仕掛けは2本鈎なので、うち一本が海底の岩に引っ掛かったと思ったのです。無理に引っ張ると糸が切れてしまいます。切れるのは仕方ないにしても、何が釣れたのかも解らずでは悔いが残ります。ここは魚(多分)が動き出すのを待つしかありません。

 すっかり暗くなった岸壁で、祈るような気持ちで竿を持っていたら、竿先が少し動きました。しめたとばかりに竿が折れんばかりに持ち上げ、リールを巻くと、また強い引き込みが始まったのです。やがて少し魚が浮いた感じがしたので強引に竿を立てると暗い海面に魚が姿を現しました。ライトに照らされたのは大きなカジカだったのです。
 もう暴れる元気もないようでしたから、糸を持ってそろりそろりと岸壁上に引き上げたのですが、驚いたことに、鈎はカジカの尾部に掛かっていたのです。なるほど、それであんなに強く引いたのか。
 戦った時間は10分近くだったと思いますが、カジカは疲労困憊だったでしょう。私もハラハラドキドキの連続で疲れましたが、カジカの姿を見たとたんに元気になりました。
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 釣れ上がったカジカは44cm、1.7kg でした。カジカとしては非常に大きいというサイズでもありませんが、40cmを超えるカジカを釣ったのは私には初めてのこと。嬉しかったですね。


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 持ち帰ったカジカは翌日、カジカ鍋で美味しく頂きました。特に、大カジカの黄色く大きな肝臓は美味かったです。カジカは締まった肉質でフグに似た食感で私は大好きです。


 体力の衰えを実感させられるこの頃は、釣りもまた昔のようにはいきません。体力にあった釣り方に変えていこうと思い、今回の釣りも、一本竿での脈釣りに終始しました。この釣り方は、中学生の頃に熱中したヘラブナ釣りに似ているように思います。釣りは「フナ釣りに始まり、フナ釣りで終わる」といわれますが、その心境に近づいてきたようです。

今日は山菜採求めて山歩き

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 今年の札幌は積雪が例年よりも少なく、さらに雪解けも早かったので、自宅の窓から見る手稲山も、今は山頂付近に雪渓がわずかに残るばかりで、山麓は新緑に包まれています。
今日(28日)は良い天気なので、山の雪渓があるあたりまで山菜採りに出かけました。



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 登山口付近からエゾハルゼミの大合唱が聞こえてきました。「ミョウギーン、ミョウギーン」という気だるくなるような単調な鳴き声は初夏の山の風物詩でもありますが、今年は鳴き出すのが早いですね。ここ数日続いた高い気温の影響でしょうか。

このセミはツクツクボウシに姿が似ています。木の枝だけではなく、写真のようにオオイタドリなどの葉に止まって鳴いていることもあります。



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 セミの写真を撮っていると、何やら動く気配を感じました。振り返ると、私をじっと見つめるキツネと眼が合いました。私が何をしているのか気になったようです。

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 そのうち、頭をかき出しました。虫にでも刺されたのか、なんだかノンビリしたキツネです。

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 まもなく、大きなアクビをしながら立ち去りました。この時期、キツネは子育てで大変忙しいはずですが、このキツネは余裕があるようです。
それにしても、キツネの口は大きいですね。



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 山道を歩いていると、森の中から「ポポポ、ポポポポ」と、竹筒をポンポンと叩くような単調で大きな鳴き声が聞こえてきました。ツツドリです。ハトくらいの大きさで、カッコウの仲間です。
山ではカッコウの鳴き声を聞くことはほとんどありませんが、ツツドリの声はよく聞きます。しかし、いつも森の奥で鳴いているので、姿を見ることは難しい。でも、この日は遠くの枯れ木の枝で鳴いていたので、写真が撮れました。遠すぎて不鮮明な写真なのが残念ですが。



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 山道脇の笹薮の中に立派な太いウドが出ていました。このあたりでは、これくらいの太さのウドは珍しい。

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 さらに山道を進むと、昨年の秋に山道の拡張工事をした場所で、ウドが出ているのを見つけました。道路脇に積み上げられた土砂混じりの枯れ枝や枯れ草の隙間からウドが顔を出しています。
これは素晴らしい! 少し掘ってみると、期待通り、ウドの茎は土中深くまで入っています。

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 掘り出したウドは、土中にあった茎が栽培もののように白く、みずみずしい。
これは最高ですね。このまま、味噌をつけてかじりたい。

この山道は登山者や山菜採りの人も多く利用するのに、よく見つけられずに残っていたものです。



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 昨年の秋に実を採ったヤマブドウのツルには新芽がいくつも出ていました。まだ葉が開ききらない芽は、天ぷらにするとほのかにブドウの酸味があり美味しい。



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 森の中ではオオカメノキの真っ白な花があちらこちらで咲いていました。やはり例年よりも早い開花です。



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 新緑一色の森ではツツジ(ムラサキヤシオツツジ)の紅い色が一際、目立っていました。



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 頂上近くまで来ると、森では満開のシラネアオイの群落が迎えてくれました。
年々歳々、花相似たり。今年もまた、この花の季節となりました。



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 渓流の岸辺にはフキの群生が目立ちます。岸辺のフキは柔らかく、美味しいものが多い。切り取ると、フキの切り口からも水が滴り落ちます。



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 天ぷらが美味いコシアブラは、今年は早く芽が出て葉が開いてしまったものが多かったのですが、山頂近くの森の中にはまだ食べられるものが残っていました。少量ですが、今年も味わうことができました。



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 本日の山菜採りのメイン会場に到着です。雪渓の雪は例年の三分の一ほどで、もう数日ですっかり消えてしまいそうです。斜面ではいろんな山菜がすでにかなり生長しています。



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 渓流に咲く春の花、エゾノリュウキンカ(ヤチブキ)もそろそろ終わりの気配で、花びらが散りかかっていました。この花も例年よりも開花が早かったようです。



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 白い綿毛にくるまれたゼンマイは可愛いですが、採ってからの処理が手間がかかるので、写真を採るだけです。



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 コゴミ(クサソテツ)はやや伸び過ぎですが、まだ柔らかいのでポキポキと折り取りました。コゴミはアク抜きの必要もないので処理が楽ですし、美味しいですから便利な山菜です。



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 私が好きなヨブスマソウは採り頃です。フキと同様に、煮て食べていますが、シャキシャキした食感で風味もよく、茹でると鮮やかな緑色になるのでサラダなどにも良いですね。



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 ヤマブキショウマが出ていました。以前はその強い苦みとクセのある匂い(消毒薬のような)のために敬遠していましたが、茹でてからよく水にさらして、濃い味付けで油炒めにすると、歯触りもよく独特の風味があるので、最近は採ることにしています。
すぐに生長してしまうので、写真くらいのものが食べ頃です。



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 雪渓近くの雪が解けたばかり場所では、フキノトウや青色のエゾエンゴサクの花が咲いていて、そこだけはまだ早春の光景が広がっていました。山麓とは季節が一ヶ月ばかり遅れているのです。


1000mほどの手稲山ですが、この日は初夏から早春までの山の風景を楽しませてもらった上に、山からのいろんな贈り物を頂戴しました。山に向かいて言うことは、ただ「山はありがたきかな」の一言です。
 とても疲れましたが...。

原野の散歩ー初夏の札幌

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 本州方面では梅雨入りとの報道がありましたが、梅雨のない北海道は一年で最も過ごしやすい、新緑が輝く素晴らしい季節を迎えました。久しぶりに近くの原野まで散歩です。

 前回(5月10日)、フキを採りに来た原野は、野道にも草が勢いよく背を伸ばし、木々は若葉に覆われて、カッコウの声があちらこちらから響き渡ってきます。遠方の青い山並みも夏が近いことを示しています。



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 野道の土手下を流れる川は、岸辺が背の高いオオイタドリや茂ったフキに隠されて川面が見えませんが、岸に近づいて水面を覗くと、大きな魚が数匹、悠然と泳ぎ回っていました。

どうやら2尾づつのペアになって泳いでいるようです。この小川は川水がいつも茶色く濁っているので「濁川」と命名されていますが、魚には住み良いようで、前回も大きなボラが群れていました。

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 泳いでいた魚は大きなコイでした。前回のボラよりも大きく、60~70cmほどはありそうです。多分、繁殖期で産卵のために本流から入り込んできたのでしょう。



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 濁川が流れ込む本流の川岸に行ってみました。この水量豊かな川は、札幌市内を流れて小樽市の銭函海岸(写真の橋のすぐ向こう)に達して石狩湾に注ぐ「新川」という、明治時代に農地開拓と水害防止のために作られた人工河川なのです。



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 新川の川岸では、海岸が近いためでしょうか、ハマナスが花盛りで、バラのような甘い香りが一面に漂っています。 



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 河川敷に野草らしからぬ植物があちこちに生えていました。
アスパラガスです。どうして畑の作物がここに生えているのか不思議ですが、もう何年も前から出ているのです。
この日、ここに散歩に来たのは実はこのアスパラが目的でもあったのです。初めて見つけた時は太いものがかなり出ていたのですが、今は少なくなりました。採る人が増えてきたのでしょうね。



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 ワラビも出ていましたが、もう伸び過ぎですね。



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 川岸の棒杙の上に小鳥が止まりました。草原の鳥、ノビタキのオスです。とても良い声で鳴くのですが、声を出しません。よく見るとクチバシに枝のようなものをくわえていました。すぐに飛び去りましたが、多分、巣作りの最中なのでしょう。



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 人家の立ち並ぶ公園まで帰って来た時、公園の芝生の上でカラス(ハシブトガラス)が二羽、寄り添ってイチャついていました。
左側の大きいカラス(オスでしょう)が、右側の小柄なカラス(メス?)の顎の下あたりの羽毛を太いクチバシで優しく撫でて(?)いるのです。撫でられている方は、うっとりとして気持ち良さそうです。
二羽はこれから子育てをするのでしょうか。

この生命あふれる素晴らしい季節は、魚も鳥も、生き物たちには子育てのための大事な、そして忙しい時期なのです。みんな、丈夫な子を育てて欲しいものですね。

タケノコ求めて山登り

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 私の遊び場でもある札幌の手稲山(標高1023m)は、頂上付近の雪も日陰の斜面に僅かに残る程度で、山はすっかり新緑に覆われて初夏の様相です。

いよいよタケノコの季節到来です。今年初めてのタケノコ(根曲がり竹の芽)を採りに、手稲山へと出かけました。



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 この日(6月6日)は晴天、無風、気温は20度ほどで、山の木々は新緑に輝いていました。

この山は落葉広葉樹が主体ですから、枯れ木のようであった落葉樹が一斉に芽吹き、明るい若葉色に変身する今は、全山が生命力にあふれ、心も浮き立ちます。秋の紅葉も良いですが、青空のもとで若葉が照り輝くこの時期の山が私は最も好きです。



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 頂上へと向かう途中の沢で、よく伸びたフキ(アキタブキ)を採りました。1メートルほどもありますが、きれいな良いフキです。いくらでも生えていますが、重い荷となるので、5~6本で採るのは止めました。



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 さらに山を登ったところで、日当りのよい林縁にまだあまり伸びていないフキの群落がありました。その中に、白い花が咲いていました。タンポポの綿毛のような白い冠毛に覆われています。

よく見ると、フキノトウが生長して花を咲かせたことがわかります。フキノトウが花を付けることは知っていましたが、地味な花で茶色く枯れたようになっていることが多く、写真のような白い花は見たことがありませんでした(見てはいたのでしょうが、それがフキの花とは気付かなかったということかもしれません)。
不勉強でしたが、フキは雌雄異株なのですね。私がこれまで見ていた茶色っぽい花は、雄株の(フキノトウの)花、そして今見ている白い花は雌株の花なのです。

 ややこしいのですが、おおざっぱに言えば、雄株の花(雄花)は雌しべは持つが受粉はせず、花粉を放出すると枯れてしまうのに対して、雌株の花(雌花)は雄花の花粉を受粉して写真のような綿毛状の冠毛を付けた種子を形成します。種子は成熟すると、タンポポの種のように風に乗って飛び散り、子孫を残すというわけです。
 ちなみに、雄株も雌株も同じように葉(つまり、私たちが食べるフキ)を出しますが、どちらも形や味に変わりがありませんから(多分)、私たちは雄株、雌株を気にすることなく区別せずに食べているのですね。



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 山道の脇に、小さな、可憐な花がひっそりと咲いていました。ハクサンチドリかと思いましたが、これはノビネチドリでした。「ノビネ」とは、変な名前ですが、根が横に伸びて、花が千鳥の飛ぶ姿に似ているので命名されたとか。ラン科の植物です。



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 薄暗い山道脇に白い奇妙なキノコのようなものが生えていました。ギンリョウソウ(銀竜草)です。葉緑素を持たない寄生性の植物なのですが、いつ見ても気持ちが悪い。白装束のお化けのようです。



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 冬はスキー場のゲレンデとなる日当りのよい斜面に、シラネアオイに混じって、白く清楚なサンカヨウ(山荷葉)が咲いていました。
カヨウ(荷葉)とは「蓮の葉」のことだとか。この花の葉が蓮の葉に似ているので命名されたのでしょうが、この葉には深い切れ込みがあり、蓮の葉らしくはありません。

それはともかく、この花は本州方面では高山植物として有名なのだそうですが、ここ手稲山では標高700~800 mあたりから普通に見ることが出来ます。

私はあまり関心がなかったのですが、調べてみると、この白い花は雨などに濡れると花びらが透明になるらしいのです。この次に出会ったら、花を水に浸けてみようと考えています。



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 山頂に近づいてきました。山道の真ん中に僅かですが残雪がありました。




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 残雪の小道を抜けて少し登ると、頂上近くのスキー場に到着です。

眼下には石狩湾が広がっています。私が住む手稲の町や、私の釣り場でもある石狩湾新港の防波堤も見えています。左が小樽方向、右が札幌方向になります。

対岸の残雪の山々は暑寒別(ショカンベツ)連峰でしょうか。海岸沿いに左端に霞んでみえる雄冬(オフユ)岬を回れば直線の道路がはるか稚内まで延々と続きます。



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 潅木の茂みの中でコシアブラが若芽を出していました。山麓ではとっくに葉が大きく開いていますが、ここはまだ雪が解けて日が浅いのでしょう。天ぷらにはちょうど良いくらいの若芽です。
コシアブラは大木になるので枝先の若芽を摘み取るには苦労しますが、若木は手が届くので採りやすい。でも、採るのは先端だけとして、脇の芽は残すことにしています。



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 ようやく根曲がり竹が生える場所に到着です。根曲がり竹は指の太さほどで、背丈は2~3mほどですが、何しろ密生していることに加えて、竹のようにまっすぐ上に伸びないで地面に這うように斜めに生えるので、まるで槍をそろえて侵入者を撃退しようとしているかのように見えます。

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 タケノコはこの竹の根元に生えるので、これを採るためには竹をかき分け、押し広げなくてはならず、かなりの腕力も必要なのです。特に私のような腰痛持ちの老人には厳しい仕事です。

それでも頑張るのは、このタケノコが美味いことと、持ち帰ると家族が喜ぶからなのです(女房は特に喜びます。理由は、スーパーなどで買うと、とても高いから)。

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 この日は1時間ほど竹と格闘して、採れたのはこれだけ。もうかなり出ているだろうと予想していたのですが、まだ少し早かったようです。先月末の異常な低温で雪解けが遅れたためかもしれません。一週間後が良さそうな感じでした。

多くの山菜は終わりました(生長してしまった)が、タケノコはまだしばらく楽しめそうです。私の体力が続けばということではありますが。

初夏の山遊びー山菜からキノコへ

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前回(6月6日)の山菜採りから早くも2週間以上過ぎた22日、ようやく山へと出かけました。この間、この時期の札幌には珍しい風雨の日が多くて、山行きを躊躇していたのです。

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 この日も朝から厚い雲が山を覆っていましたが、天気予報では昼前から晴れるということでしたので出発したのです。

山は中腹までは晴れていましたが、頂上はなお厚い雲に隠れていました。

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 しかし、まもなく雲が流れ始め、頂上が見えてきました。最近の天気予報はなかなかに正確です。


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 前回と同様に、頂上付近のスキー場を目指して登り出した山道の脇にきれいな白い花が咲き乱れていました。フランスギクです。
 やれやれ、こんな山の中にまで侵入してきたのかと、少々腹が立ちました。ヨーロッパ原産のとても繁殖力の強い雑草で、我が家の周りでも、空き地ばかりでなく家々の庭にも勝手に入り込んで咲いています。一見するときれいな花なので、抜かれることなく咲き誇っているのです。

このままの勢いで増えると、この山に咲くシラネアオイやハクサンチドリなどの貴重な花々が駆逐されてしまうのではと心配になりました。



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 晴れていた空がまた曇って、周囲が霧に包まれました。陽光に照り輝いていた木々の新緑が一瞬にして陰鬱な灰色の世界に消えました。
あれあれ、困った。今日は寄り道をして森に入るつもりだったのです。この霧の中では、クマさんと出くわすかもしれません。
でも、行かねばならないのです。森の奥で私を待っているものに会うために。



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 慎重に森の中の小道をたどると、うれしや日が照り始め、森の中には再び明るい新緑が戻りました。そして、前方に太い老木と、その根元の幹に群がって生えている黄色いキノコが見えました。
私を待っていてくれたのは黄色いタモギタケだったのです。もしや、誰かに先を越されたのではと心配していたのですが、よかった、よかった。

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 ところが、近寄ってみてビックリ、そしてガッカリ! 
キノコはすっかり生長してカサが開き切って、流れる(崩れる)寸前の状態なのです。最近の雨続きの天候の影響でしょう。一週間早ければと悔やまれました。
でも、これがキノコ採りの宿命です。食べごろの良い状態のキノコを採るためには、こまめにチェックしなければなりません。そのためには、しかし体力がねえ...。


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 ちなみに、この写真は昨年の6月19日に、この日(6月22日)と同じ老木で撮影した良い状態(食べ頃)のタモギタケです。あと数日早ければ、この写真と同様のタモギタケを大量に採ることができたのに.....。悔しくて今晩は眠れそうにありません(実際は疲れ果てて爆睡状態でした)。



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 タモギタケの森を出て、重い足を引きずりながら急な斜面を登り、頂上近くのスキー場に到着しました。冬には一面の銀世界のゲレンデに変身する斜面は若草に覆われて、今は赤紫色のハクサンチドリの花盛り。



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 斜面の上方に山菜採りと思われる人影が。あれまあ、先を越された。あの場所はワラビがたくさん生えるのです。疲れていても、ライバル出現となると俄然、元気が出てきます。
急いで登って、私もワラビ採りに夢中。


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 陽射しが強く、紫外線もさらに強いので、ワラビを一本一本折り採っているだけでも疲れます。それに、ここは採る人が多いからでしょうか、ワラビも細いものが大半で、30分ほどで切り上げました。
一緒にワラビ採りしたのは、私よりも年配と思われる老人でしたが、私が「細いワラビばかりだねえ」と愚痴ると、ご老人いわく、「細くても太くても、味に変わりはないべ」と、黙々と摘み取っておられました。
おっしゃる通りですから、この場はご老体にお譲りして、私はタケノコ採りへ。



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 タケノコ(根曲がり竹)はかなり出ていましたが、生長したものが多くて前回のような良いものは少ない。でも、少々伸び過ぎても、先端部分は柔らかいですからボキボキと折り取りました。



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 タケノコ採りの合間に、ウドやフキも採って、本日の山菜採りは終わりとしました。



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 山道を下ってくると、頭上でチョウが2匹、追いつ追われつ、戦っていました。1匹はクジャクチョウのようでしたが、とにかく素早く飛び回るので区別できません。やがて、敵を追い払ったチョウが地面に着陸して翅を広げ、日光浴を始めました。
よくみると、ルリタテハです。夏が近いのですね。



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 さらに下ると、道路脇の草むらにフキが群生していました。ちらりと横目でみたら、茎がやけに赤いフキでした。赤ブキはよく見かけますが、こんなに赤みの強いものは珍しいのでは?

一般的に、赤ブキは固くて不味いと言われていますから、私は青ブキの、それも茎が淡緑色の白っぽいものを選んで採っています。
でも、この赤ブキを見て、ふと思いました。もしかして、この赤ブキは美味いのでは? ということで、ものは試しとばかりに、この赤ブキを持ち帰ることにしました。


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 帰宅して、さっそく女房にフキを茹でてもらいました。茹で上がった赤ブキはやはり赤い。何だか美味そうな感じです。

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 煮付けてみました。煮ると色は褪せます。さて、味はどうでしょう? 口に入れて噛んでみると、ゴリゴリした食感です。一緒に煮た青ブキはどうでしょう。やはり、ゴリゴリ感があります。今の時期のフキは固くなっていますから、もっと長く煮るべきだったようです。
味はどちらもフキらしく、差は感じられませんでした。

ただ、やはりフキは6月初め頃の、青くて水水しい若いフキが最高です。その頃の赤ブキはどうなのか、来年、食べ比べてみようと思います。

そんなこんなで、来週末は早くも7月です。私の山菜採りも今回が最後。これからはキノコ採りに向けて作戦の開始というところです。

夏の山遊び

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 私の遊び場である札幌の手稲山も、頂上まで濃い緑に覆われて、すっかり夏の姿に変わりました。8月中旬を過ぎれば秋風が吹く札幌では、今が盛夏というところです。
良く晴れた一昨日(7月12日)、最高気温は24.1度まで上昇しましたが、空気はカラリとして吹く風も心地よいので、山を散歩してきました。



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 山の草原(と言っても、冬にはスキー場のゲレンデとなり雪に埋もれる草地)はピンクの赤クローバー(ムラサキツメクサ)、黄色いミヤコグサ、橙色のコウリンタンポポが咲き乱れて、お花畑状態です。紫外線が強いためか、どの花も色鮮やかです。
でも、これらの花はすべてヨーロッパ等の外国が原産の外来植物です。スキー場造成のために芝生を植えた時に混入したのでしょうが、すっかり根付いています。



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 森に入ると、ほの暗い登山道の脇に真夏の青空よりも青いエゾアジサイの花(飾り花)がひっそりと咲いていました。草原の華やかな花々にくらべると、何と静かで気品のある花でしょう。大好きです。

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 飾り花が重なりあった不思議なアジサイがありました。色合いはエゾアジサイと同じですが、花びら(がく片)が5枚もあり、形状も普通のエゾアジサイとは異なります。
果て、これは何? エゾアジサイの突然変異でしょうか?



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 木漏れ日が散らつく林床にイチヤク(一薬)ソウの小さな群落がありました。花を乾かして薬(循環器系疾患に効果がある?)にするので、この名が付いたようです。
イチヤクソウの花は白いのですが、写真の花は赤みがあり、オシベの色も赤紫色なので、ベニバナイチヤクソウでしょうね。本来、ベニバナは花の赤みがもっと強いのですが、花の盛りが過ぎて色あせたのかもしれません。



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 白い綿菓子のようなオニシモツケの花に、コガネムシの仲間である青い金属的な光沢のアオアシナガハナムグリが取り付いて、夢中で蜜を吸っていました。
この花には小さなハナカミキリも集まってきます。綿菓子のように甘い蜜なのでしょう。



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 渓流沿いの小道の脇にヤマトキホコリが群生していました。一般には「ミズ」と呼ばれている山菜の「ウワバミソウ」にとてもよく似ています。実際、味も食感も同じですから、両者とも「ミズ」として利用されているようです。

なるべく太い茎を選んで、根元からポキンと折り取ります。葉を落とした茎を熱湯でゆでて、太い茎であれば皮をむいてから4~5cmに切って、おひたしや和え物で食べます。味はまさに水のごとくで、何の味もありませんから、好みの味付けにすればいいでしょう。私はカツオブシに醤油や、各種サラダドレッシングで楽しんでいますが、軽いヌメリとシャキシャキした食感が持ち味ですね。

山菜が終わった山で、「ミズ」だけはいつでも採れるありがたい山菜です。



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 山頂へと続く車道を歩いていたら、前方を60~70cmほどのヘビが横切りました。時々見かけるアオダイショウよりも赤っぽい色合いの綺麗なヘビです。
ジムグリでした。これは嬉しい。初めての出会いです。おとなしく、おっとりした性格だということですが、まさにそんな感じでした。

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 ヘビと別れて少し歩いたところで、また別のヘビに会いました。先ほどのヘビの半分くらいの長さの細いヘビです。色彩は先のヘビよりも鮮やかで黒い斑点がはっきり認められます。
これもジムグリですが、まだ子供のようです。ジムグリは生長すると斑点が消えるとのこと。

ジムグリは普段は土中の穴にいるらしいのですが、今日はどうしたことでしょう。よく晴れたので日光浴に出て来たのでしょうか。それにしても、この道路は車が時々通るのでノンビリしていると轢かれてしまいます。早く穴に戻るようにと道路脇へ追いやりました。



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 ヘビと別れて森に入ると、すぐ近くで弱々しいセミの鳴き声がしました。目を凝らすと、目の前の低い木にエゾハルゼミがいました。木の葉に止まって鳴いています。写真を撮ろうとしましたが、枝や葉が邪魔でうまくいかないのです。仕方なく、手を伸ばしてセミを捕らえました。
よく見ると、翅が破れているし元気もあまりないようです。指に止まらせて撮影したあと放してやりました。ギーギー鳴きながら、それでも木の枝へとヨロヨロと飛んで行きました。

そういえば、森の中がやけに静かだと感じたのは、エゾハルゼミの声が聞こえないからでした。5月以来、山中であれほどうるさく鳴いていたエゾハルゼミでしたが、夏の訪れとともに声が消えていたのです。

春のセミが死に絶えて、夏の森は束の間の静けさを取り戻しました。今となれば、エゾハルゼミのノンビリした歌声が懐かしく思われます。

以前に本ブログで紹介したエゾハルゼミはツクツクボウシに似ていると書きましたが、この日、指先に止まらせて観察したエゾハルゼミはヒグラシにそっくりでした。

子供の頃に住んでいた本州の田舎では、夕暮れ迫る夏の夕方に近くの森からカナカナカナと、もの悲しいヒグラシの合唱が聞こえて来て、それを聞くと遊んでいた悪童たちも一斉に家に帰ったものでした。

もう一度聞いてみたいヒグラシの鳴き声ですが、どうもエゾハルゼミのそれがとてもよく似ているなと、最近、思い至りました。

エゾハルゼミの歌は、ミョウギーン、ミョウギーンという前唄から始まり、そのあとにウゲゲゲーという本唄が続くのですが、よく聞いていると、本唄がガナガナガナーとも聞こえるのです。

つまり、ヒグラシの歌が哀調ある短調の旋律なのに対して、エゾハルゼミのそれは明るい長調の旋律のように感じられるのです。

エゾハルゼミは春の陽光が降り注ぐ明るい昼間にノンビリと歌い、ヒグラシは夕暮れに寂しげに歌うという、この姿かたちが似通った両者の歌は、陽と陰の関係にあるのではと考えてしまいました。2種のDNAを分析すれば、両者はとても近い親戚関係であることが判明するのでは?

目に突き刺さるような強い夏の陽光を避けて、森の緑陰で一休みしながら、在らぬことを考えるのも、夏の山の楽しさです。

夏の終わりの山遊び

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 私の遊びの場である札幌の手稲山はまだ夏の装いです。でも手稲の町は、暑さが続いてはいるものの、立秋も過ぎて夜は涼しい風が吹き、庭ではカンタンが鳴き出しました。
山ではキノコが顔を見せ始める頃です。
「山の日」の昨日、山の様子を見に行ってきました。



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 山に入ると野ではすでにススキが穂を出して、夏の終わりを知らせています。



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 森の中はまだ緑が濃くてエゾゼミのジージーという暑苦しい鳴き声が聞こえてきます。イタヤカエデの大木を見上げると葉は青々としてまだ夏の盛りの様相です。秋が深まるとこの葉は鮮やかな黄色に変わるのですが。



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 森の中の潅木に真っ白な花が群がるように咲いていました。サビタ(ノリウツギ)の花です。サビタは夏の花ですね。アジサイにそっくりで、白くきれいな花は「装飾花(飾り花)」で種を作らないムダ花。本当の花は中央の小さな粒状のものです。
「サビタ」という名は北海道独特の呼び名で、正式には「ノリウツギ」。昔はこの木の皮から和紙をすくためのノリを作っていたのです。和紙製造が盛んだった昔は、サビタノリは北海道ノリとして全国で利用されていたそうです。



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 山路を歩いているとツル状の植物に緑色の実が幾つもぶら下がっていました。よくみると釣鐘のような形をした花もあります。実と思ったのはツボミでした。
これは、ツルニンジンなのです。根が朝鮮人参に似ているのだとか。
春の山菜採りの頃に出る若芽はよく見かけましたが、こんな花が咲くとは知りませんでした。
若芽は食べたことがありますが、花はゆでて酢の物に、また根はキンピラにして食べるのだとか。しかし、あまり数は多くない植物らしいので、見て楽しむ程度にしたいですね。



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 登山道の脇で見つけたこの花はホタルブクロでしょうか。



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 木イチゴの一種、エゾイチゴの実がありました。この山では他に、クロイチゴ、ナワシロイチゴなどのキイチゴがありますが、それらの中ではこのエゾイチゴが独特の良い香りと甘酸っぱさがあり、私は大好きです。改良して大粒の実ができれば立派な商品になること間違いなしと思うのですが...。


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 咲き残っていたエゾアジサイの花にヨツスジハナカミキリが来て蜜を吸っていました。これはまだ夏の光景ですね。



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 登山道をヒラヒラと何匹ものチョウが飛び交っていました。これはスジグロシロチョウ。薄暗い山道では白いチョウは目立ちます。



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 山道で最も多かったのは地味な色合いのキマダラヒカゲです。名前のとおり日陰を好むチョウです。白い斑紋が、枯れ葉に落ちる木漏れ日のようですね。



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 日があたる草地では特にヨツバヒヨドリの地味な花にチョウが多く集まります。蜜が多いのでしょう。どのチョウもせわしなく花から花へと飛び回ります。これはキアゲハです。



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 ミズナラやクルミが混じる雑木林の地上を歩くコガネムシがいました。全身が金属的な緑色に輝いています。あれ懐かしや、アオカナブンです。
本州の田舎に住んでいた子供の頃、夏になると雑木林でカブトムシやクワガタ採りに熱中していました。それらの昆虫は樹液が流れる特定の木に集まるのですが、そこにはカブトムシなどとともにアオカナブンもいたのです。あの、虫採りで一日中走り回っていた子供の頃の夏休みの日々が急に蘇ってきました。
北海道でアオカナブンに遭遇したのは今回が初めてです。もしや、この山にはカブトムシもいるのか!?



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 登山道の両脇にはキノコがチラホラと姿を見せてくれましたが、そのほとんどは食用にはなりません。でも、眺めているだけで楽しい。
このキノコはカサが桜色でヒダや柄が真っ白で綺麗です。当然、名前はあるのでしょうが、私が所有するキノコ図鑑には記載がありません。



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 こちらは赤いキノコ。ドクベニタケのようですが...。カサ表面の白い部分は虫に食われたか?



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 こちらはやや大型のキノコ。クサハツの仲間? 



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 山道脇の倒木に何やら白いものが見えました。近寄ってみると、ウスヒラタケでした。立派な食用キノコです。これは嬉しい。
この季節は高温や虫のため、キノコはすぐに崩れてしまうことが多いのですが、これはまだ出てから新しいらしく、きれいでしっかりしています。美味しそうです(帰宅してから畑のナスやキュウリといっしょに炒めて食べました。美味かったです)。



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 尾根筋の風が吹き通る山道脇に青っぽいキノコが点々と出ていました。この特徴的な色合いは、アイタケ(藍タケ)ですね。土用キノコとも呼ばれる夏の代表的な食用キノコです。



期待していなかった夏のキノコ観察でしたが、思わぬ収穫がありました。山には確実に秋が来ています。いよいよキノコの季節の到来です。また忙しくなります。

キノコの季節始まる

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 私がキノコ採りをする札幌の手稲山では、例年、8月中旬頃から雑木林にアカジコウやタマゴタケが姿を見せ始め、下旬にはカラマツ林にラクヨウ(ハナイグチ)が出始めて山は一気にキノコの季節に突入するのですが、今年はどうしたことか、8月末になってもそれらのキノコは出てきませんでした。大雨や猛暑などの異常気象が影響したのでしょうか。

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 9月4日、例年ならラクヨウが出盛りとなる頃なので、まだ暑さが残る中を山へ向かいました。途中の山道では小さなキノコたちがちらほらとお出迎えです。これは期待が持てそうです。



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 最初に、アカジコウが生える雑木林に入りました。今年はダメかもしれないと心配でしたが、出ていました。しかも、カサが開いたばかりの、まだ虫に食われていないきれいなキノコでした。

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 採っていると顔の周りをブンブンと多数の蚊が飛び回ります。
私はキノコを見つけて大喜び、蚊は人間の血が吸えるので大はしゃぎ。 写真を撮るためキノコを持つ私の指にもしっかりと針を突き刺しています。
 子供の頃、外で遊んでいると蚊に刺されるのは当たり前の事でした。友達と互いに腕を差し出して、どちらに多くの蚊が集まるか、どれだけ長くその状態を我慢できるかを競争していたことを思い出しました。そのために、どうやら私は蚊に対して免疫が出来たようで、刺されても腫れませんし、痒みもあまり感じなくなりました。やはり、子供の頃に様々な体験をしておくことは大事ですね。

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 今年も良い状態のアカジコウが採れました。毎週、見回りに来ていた甲斐がありました。このキノコは一カ所に沢山出るということはないので、この場所では、これくらい採れれば大満足です。
カサも柄もそれぞれに美味しい(旨味ある)キノコです。



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 アカジコウが出ていた場所には、赤い頭のタマゴタケも顔を出していました。赤いカサと黄色い柄が特徴ですが、有毒キノコのベニテングタケに似ているので間違わないようにしましょう。
アカジコウほどではありませんが、美味しいキノコです。



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 キノコが出始めたことが解ったので、少し山の奥まで入ることにしました。最初に見つけたのは、アカジコウの仲間でもある、美味なヤマドリタケ(モドキ)でしたが、残念ながらすでに腐りかかっていました。まだ暑さが残るこの時期のキノコは虫が入りやすく痛みが早いのです。



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 カサが橙黄色で白い柄にゴマ粒のような黒い点々がある大型のキノコ、キンチャヤマイグチもすでにカサが大きく開いていました。



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 私の好みのキノコ、チチタケも出始めていました。カサの裏などは触れるだけで牛乳のような真っ白な液が滲み出て滴り落ちます。
私はこのキノコのダシ汁が好きです。キノコを少量の油でよく炒めて、酒と水、醤油を加えて煮ると、煮干し風味にキノコの香りが加わった出汁が出来ます。私はそうめんやソバの付け汁にしていますが、独特の風味で美味いですね。



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 秋の初めに出て来て、山のキノコの季節の始まりを告げてくれるハンノキイグチは地味な色合いで香りも弱いので、採る人は少ないようです。でも、カサ裏が鮮やかな黄色の若いキノコは(カサ裏を触ると青インク色に変色する)クセもなく美味しいと思います。



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 小型のホウキタケを見かけました。キホウキタケのようです。このような小型(高さ10cm足らず)のホウキタケは有毒なものが多いそうですから、見て楽しむだけです。
この山では過去に2回、本物のホウキタケ(小型の白菜くらいの大きさ)を採ったことがあります。それ以来、毎年探していますが、遭遇しません。私には幻のキノコとなっているのです。



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 これまで見たことがない巨大なキノコがありました。テングタケの仲間のようです。多分、有毒のようですから捨てました。帰宅後、図鑑で調べたら「ガンタケ」のようです。生食すると中毒するらしいのですが、調理すると美味な食用キノコとのこと。
シマッタ、持ち帰るのだったと後悔したのですが、解説をよく読むと、「カサも柄も歯切れ良く、風味にクセもなく、煮込むと味の良いダシが出る」、ただし、「生食すると中毒するため、あえて危険をおかしてはならない」とあります。ふーむ、何だか複雑な気分です。あえて危険をおかしたくなるではありませんか。
よし!次回、見つけたら持ち帰ることに決めました。



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 山を下る途中の山道では秋の野草が咲き出していました。これはエゾゴマナの白い花。



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 大好きなエゾノコンギクも咲いています。この花の薄青い色は写真ではどうもうまく表せないのが残念。



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 ヤナギランが一本、咲き残っていました。夏の名残です。この山の頂上近くの草原にはヤナギランの大群落があるのですが、今夏は暑くて見に行けませんでした。



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 黄色いオオアワダチソウの花の上でクジャクチョウが蜜を吸っています。このチョウの翅の裏は黒っぽい地味な色ですが、翅を開くと、まあ何と色鮮やかなこと。日本のチョウの中で最も豪華絢爛な色彩、色合いだと思います。

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 オオアワダチソウが咲き乱れる道路の脇のコンクリートの側壁に、何匹ものクジャクチョウが集まって、翅を広げて日光浴をしていました。早くも越冬の準備でしょうか。
壁に逆さに止まったチョウの姿は、本当にフクロウの顔にそっくりで、これならチョウを食べようとする鳥も逃げ出すでしょうね。



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 クジャクチョウが乱舞していた近くで、オオイタドリの葉の上に見慣れないチョウが翅を開閉させていました。クジャクチョウに比べたら、あまりに地味な色合いのチョウなので適当にシャッターを押したのですが、帰宅後、図鑑を調べたら該当するチョウがありません。念のため、札幌市内の大きな書店にあった「日本産蝶類図鑑」を見ましたが、そこにも記載されていませんでした。はて?
 そのとき、ふと思い出したのは、この日、キノコを求めて山道を歩いていたときのことです。目の前を派手な色合いの中型のチョウが一匹、ヒラヒラと舞っていたのです。見た瞬間、アサギマダラだと思ったのですが、残念ながら撮影出来ませんでした。
 アサギマダラは南方系のチョウで、この山にいるはずがありません。ところが調べてみると、この手稲山でも過去にアサギマダラが発見されており、それは台風によって運ばれて来たらしいというのです。
 なるほど、この8月は台風が連続して北海道に上陸し、札幌でも強風が吹き荒れました。もしや、あの地味な色のチョウも台風の風に乗って遠方から吹き流されて来たのではなかろうか?

こんなことなら、もっと真剣にあのチョウの写真を撮るのだったと悔やまれました。ピンボケ写真では同定も難しい。あのチョウがもっと奇麗な色合いだったら気合いも入ったのにと思いました。何事も、見かけだけで判断してはいけないということですね。



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 山道を下っていたら、目の前をピョンと跳ねる生き物がいました。エゾアカガエルです。尾根に近いこの山道の付近にはカエルが住むような水たまりはありませんが、地面は降り続いた雨で相当に湿っているので、カエルには居心地がよいのでしょう。



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 カエルを撮影していると、カッカッという音がしたので振り向くと、エゾリスが大急ぎで木の幹を駆け上がって行くところでした。幹に爪を立てる音だったのです。
先日の強風で吹き落とされたミズナラの、まだ緑色のドングリが山道にも散らばっていましたから、それを拾いに地面に降りたところに私がいたので驚いて逃げたのでしょう。
今年はどうやらドングリやクルミはまずまずの出来のようですから、リスは一安心でしょう。


今年のキノコは例年よりも2週間ほど発生が遅れたようですが、ようやく出始めました。高温と大雨の8月の天候が、今後のキノコの発生にどんな影響を及ぼしたのか、興味津々というところです。もしかすると、珍しいキノコとの出会いや幻のキノコとの再会もあるかもしれない。楽しみです。

キノコ日記2016 9月①

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今夏の北海道は暑さと大雨に見舞われて、その影響か、キノコの発生は例年よりも遅く、私が住む札幌でも、本格的に出始めたのは9月も半ば過ぎからでした。

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 9月20日: 近くの公園まで犬と散歩。園内の木立の下ではササクレヒトヨタケが今年もたくさん顔を出していました。昨年よりも2週間ほど遅れての発生です。
カサは開くとすぐにドロドロと溶け出すので、食べるなら、顔を出したばかりのツボミ状の幼菌を採ります。私は油炒めで食べますが、カサよりも、白い柄がシャキシャキして美味しい。



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 公園の芝生の中で、輪を描くように、白っぽいキノコが点々と出ていました。よく見ると、カサの表面やカサ裏のヒダが、かすかに紫色を帯びています。

これは嬉しい。コムラサキシメジです。すでに生長してカサが開いてしまっているのと、雨に打たれたためか色が褪せて白くなっていますが、普通は若いキノコは薄紫色をしています。通常は、カサの直径が2~3cmの小型のキノコですが、ここの芝生の土が肥えているからか、直径が5~6cm のものもありました。

ムラサキシメジよりも小さく、色も鮮やかではありませんが、味はムラサキシメジなど足下にも及ばない美味しいキノコです。



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 9月21日: 公園にキノコが出始めたということは、山もキノコの季節に入ったということですから、良く晴れたこの日、私のキノコ採りの場である手稲山へと出かけました。
ナナカマドの実がすっかり赤くなり、葉も紅葉が始まっていました。



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 山道の脇にカサが橙色のガッシリした感じの大型のキノコが立っていました。一瞬、オオツガタケ?かと思ったのですが、ヤマドリタケモドキでした。この場所では前回(9月 4日)もヤマドリタケモドキが出ていて、それはすでに腐りかかった老菌でしたが、今日のキノコはまだ若い、食べごろの良いものでした。

ヤマドリタケモドキは普通、根元が膨らんだ、ずんぐりむっくりの大型キノコですが、これはずいぶんスマートな形をしています。そういえば、8月に採ったアカジコウという、ヤマドリタケの仲間のキノコもスマートなものが多かったので、これも大雨や気温の影響によるのかもしれません。




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 さて、この日の最大の目的は、マイタケでした。山の斜面に立つミズナラの大木の根元に生えるマイタケを初めて発見してからすでに30年近く、そのミズナラは1~2年置きに、立派なマイタケを私に与え続けてくれたのです。

昨年は出ませんでしたから、今年は期待が持てます。ワクワク、ドキドキしながら斜面をよじ上ってミズナラの老木に到着して、ビックリ、愕然。なんと、老木は真ん中からボッキリと折れていたのです。幹も剥がれて樹洞が、むき出しになっています。先日の強風によるものでしょう。

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 ガッカリして近寄ってみると、根元に握りこぶしほどの幼菌が一つ、出ていました。あと数日すれば大きく生長することでしょう。それを楽しみに、山を下りました。

この日は、マイタケの他に、ラクヨウ(ハナイグチ)も採るつもりだったのですが、例年なら出盛りのはずなのに、まったく見つけることができませんでした。変な年です。



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 9月25日: 犬を連れて散歩の途中、もう出ている頃だと考えて、ハタケシメジが生える草地に行ってみました。そこは、住宅地の中にある草地なのですが、毎年、ハタケシメジが出るのです。歩道の脇の草地なので人目につきやすいのですが、幸い、まだ誰も気付いていないようで、私の穴場になっているのです。

予想通り、幾つも出ていましたが、まだ幼菌がほとんどです。もう少し大きくなるまで待つことにしました。他の人に見つかりませんように。



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 ハタケシメジの様子を見ての帰り道、公園の芝生の中に真っ白なキノコを見つけました。食用のハラタケかと思い、採りましたが、柄がスラリと長く、ハラタケではありません。捨てようとしたのですが、持ち帰って調べることにしました。

調べた結果、シロオオハラタケと判明。洋風の料理に合うというので、オリーブ油で炒めて塩胡椒で味付け、試食してみたとろ、おお!美味いではありませんか。ハラタケよりも美味いと思いました。今後は積極的に探そうと思いました。

ただ、このキノコは、食べれば必ず死ぬという猛毒キノコのドクツルタケやシロタマゴテングタケに非常によく似ているので、要注意です。



発生が遅れていたキノコが、ようやく出てきました。来週が楽しみです。

キノコ日記2016 9月②

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9月27日: 前回(9月21日)紹介したマイタケを採りに山へ入りました。すでに一週間ほど経過しています。もっと早く来れば良かったのですが、雑用があり、この日になってしまったのです。キノコは生長が早いですから、もう崩れかけているかもしれません。

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 心配しながらミズナラの根元を見ると、マイタケは無事でした。しかし何かおかしい。マイタケの先端部分が何者かによって食い散らかされているのです。リスかネズミか?

こんなことは初めてです。木が折れたので見通しがよくなり、何者かに見つけられてしまったのでしょう。
もしかすると、このマイタケは、このミズナラの最後のキノコかもしれません。そう思うと、とても残念でしたが、食べ残しを大事に持ち帰ることにしました。



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 この折れたミズナラの根元には、見慣れぬキノコが点々と出ていました。シメジのようですが、怪しい気配が漂います。
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 カサがまだ開ききらない若いキノコのカサ裏のヒダはシメジのように白色ですが、カサが大きく開いたキノコでは、ヒダが赤みを帯びていました。やっぱり! これは毒キノコのクサウラベニタケでしょうね。
キノコの季節には、このクサウラベニタケによる中毒がよくニュースになっています。死ぬことはないようですが、相当に激しい胃腸症状があるようですからご用心を!


この日の狙いの一つは、北海道では一般にラクヨウと呼ばれているハナイグチです。例年ならば、8月の末頃から出始めて、9月の中旬頃に最盛期となるのですが、今年はどうしたことか、9月になっても出てこなかったのです。
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 9月も末ですから、さすがに、もう出ているだろうと、私の穴場であるカラマツ林に入ってみました。
予想通り、カラマツの根元にカサが開いたばかりの大小のラクヨウが、あちらにもこちらにもと出ていました。
私はラクヨウの味噌汁が大好きですが、ラクヨウはカサが開いたものがダシがよく出るので、写真のようなカサ裏が鮮黄色のものが好みです。



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 ラクヨウと並んで北海道で人気のあるボリボリ(ナラタケ)が倒木に出ていました。ナラタケには幾つかのタイプがありますが、写真のタイプが柔らかくて美味しいように思います。



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 倒木にまたボリボリが...と思いましたが、ボリボリよりも小型で柔らかく、柄にはツバがありません。はて?
齧ってみましたが苦くはありません。センボンイチメガサのような気もします。とりあえず採ることにしました。帰宅して調べると、どうやらナラタケモドキのようですが、クリタケモドキにも似ています。
どちらにしろ毒キノコではなさそうなので、煮て試食してみました。クセもなくヌメリがあって歯切れもよく、美味しいキノコでした。次に出会ったら、また採ろうと思います。


マイタケは残念でしたが、ラクヨウにボリボリと、定番が出そろい、山も遅ればせながらキノコの季節となりました。

キノコ日記2016 9月③

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この秋の札幌は、キノコの発生が例年より1週間ほど遅れました。先日(9月27日)、マイタケを採りましたが、例年なら9月20日前後が発生時期です。
この調子なら、マイタケと並んで私が狙うオオツガタケも、まだ崩れずに残っていてくれるかもしれません。昨年は9月16日に立派なオオツガタケ4個を採っています。


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 9月30日: オオツガタケを求めて山へ入りました。本当はもっと早く来たかったのですが、所用でこの日になってしまったのでした。

私が普段、マイタケなどのキノコを採るのは手稲山の北斜面なのですが、オオツガタケが発生するのは山の南斜面なのです。つまり、山を越えないとオオツガタケが生える森には行く事が出来ないので、これは若くはない私には相当の重労働です。それでも、えっちらおっちらと山を登り、下るのは、それだけ、オオツガタケに魅力があるからです。

オオツガタケの森へと向かう山道では、ツタウルシが早くも紅葉していました。



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 渓流脇に生えたツリバナはまだ葉が青々としていますが、赤い実がはじけて種子が出ていました。公園などによく植えられている木ですが、やはり山中で見ると風情があります。



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 山道にはドングリがたくさん落下していました。今年は豊作のようです。山の動物たちは喜んでいることでしょう。



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 針葉樹と広葉樹が入り交じった森に到着して、オオツガタケが毎年発生する場所へ急ぎます。そして、木々の間から、地面に大きく黄色いカサを広げたオオツガタケが見えました。

やれ嬉しや、崩れもせずに待っていてくれたのです。

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 カサが開いたものばかりでしたが、合計9個、過去最高の収穫です。 
カサが開き切っていますが、腐れも虫食いもなく、まずまずの状態です。もう4~5日早ければと思いましたが、この時期まで残ってくれたのですから、大満足でした。

帰宅後は、天ぷらや、オリーブオイルでソテーに、煮物、焼き物にと、いろいろ調理して味わいました。それぞれに美味かったのですが、特にカサの天ぷらが絶品でした。味が良いのです。
どうもキノコは、天ぷらが最もキノコの風味を引き出すように思います。

そして、キノコはカサが開いたものの方が旨いことを改めて実感させられました。これまではカサが開く前のオオツガタケを食べていましたが、さほど(キノコ通のひとたちが言うほどには)美味いとは思えなかったのです。 怪我の功名というのでしょうか、採る時期が遅れたことで、オオツガタケの美味さを知ることができたのは、本当に幸いでした。


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 この森では、クリタケも出ていました。まだ若い、きれいなクリタケです。



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 倒木にはブナハリタケがビッシリと生えていました。独特の甘い香りがするこのキノコも天ぷらが美味い。フライにすると、まるで肉のような食感で、知らない人はそれがキノコとは思わないでしょう。



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 広葉樹の根元に、カサが白くてヌメヌメした小型のキノコが点々と出ていました。シロナメツムタケです。ナメツムタケには、発生順に、シロナメツムタケ、チャナメツムタケ、キナメツムタケがあります。このツムタケ三兄弟はいづれも食用になりますが、味は、発生順とは逆に、キナメ、チャナメ、シロナメの順だと私は思います。

いづれにせよ、三つのキノコは、それぞれに美味しいキノコです。



この日は体力的にはかなり疲れましたが、目的としたキノコが採れて満足な一日でした。こんなキノコ日和が出来るだけ長く続いて欲しいものです。

キノコ日記2016 10月①

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私がキノコ採りをする札幌の手稲(テイネ)山は、10月11日に初冠雪とのニュースがありました。例年よりも5日、昨年よりも2日早い雪の到来です。今年はキノコの発生が遅く、ようやく出始めたと喜んでいたら、キノコの季節が早くも終盤に来ているのです。急がねばなりません。

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 10月12日: 初冠雪の翌日、山へ入りました。今年は山の紅葉も遅れていますが、山麓ではナナカマドが紅葉しています。山の向こうに石狩湾や私が住む手稲の町が遠望できます。

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 山頂近くの森に行く途中の山道ではシラカバなどの木々が黄色く色付き始めていました。



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 目的の森に近い山道の脇に白っぽい小型のキノコが群生していました。誰かが採ったようですが、そのまま捨ててありました。食べられないキノコと判断したのでしょう。

これはツバササクレシメジなのです。柄にツバ(カサ近くの柄の周囲に付着したスカートのような薄い膜)があり、柄の下部にささくれたような付着物がある、その名の通りのキノコです。乱暴に採ると崩れてしまうほどの、もろいキノコなのですが、煮ると一変、シコシコした弾力性ある美味しいキノコに変身します。

登山者が行き交う山道の脇ですから目立つのですが、採られた形跡がありません。誰もが、食用であるとは思わないのでしょうね。私には好都合で、沢山採ることができました。



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 しばらく行くと、また山道脇にカサの表面が灰色で根元が膨らんだズングリとしたキノコが点々と出ていました。見るからに、これぞシメジという風な美味しそうなキノコです。

ハイイロシメジですね。でも残念ながらこのキノコは嫌な匂いと味で食用には不向きで、中毒することもあるそうですから、私はパスします。



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 森に入ってすぐに、先のハイイロシメジによく似た白いキノコを見つけました。真っ白で美味しそうですが、このキノコ(シロノハイイロシメジ)もハイイロシメジと同様のクセのある匂いと味(以前に試食済み)なので、パスです。




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 またまた白いシメジ風のキノコが株状に地面に出ていました。オシロイシメジです。このシメジもキノコ図鑑などでは要注意とされています。が、私は持ち帰ります。味にややクセがありますが、すき焼きなどでは気になりません。歯切れ良く美味しいキノコだと思います。



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 晩秋のキノコであるムラサキシメジが出始めていました。美しいキノコですが、味は残念ながら、土臭さがあり、美味いキノコではありません。歯触りは良いので濃い味付けにするとよいと思います。



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 毎年紹介している、私の好きなキナメツムタケも顔を出していました。このキノコもこれから出盛りとなり、秋遅くまで楽しませてくれます。
このキノコは味噌汁が最高で、とても良いダシが出ます。ただ、カサが開いて、カサ裏の真っ白なヒダが黄色~褐色に変色したものは土臭さが強く、味が落ちるので要注意です。



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 森の奥の私の秘密の場所に到着しました。今年はどうかと、ドキドキしながら見上げた斜面の倒木に、嬉しや、カサが良い具合に開いたナメコがビッシリと出ていました。
この倒木はかなり栄養があるらしく、初めて見つけた時は倒木表面を覆い尽くすほどにナメコが出ていました。あれから6年ほど経ちましたが、なおこれだけのキノコが出るのですから、嬉しい驚きです。普通は1~2年で消えてしまうのですが。



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 ナメコを採った後、近くの倒木へ行ってみると、こちらでは大きなムキタケが出盛りというところでした。ムキタケは水分が多いので、たくさん採ると重くて大変です。カサ裏のヒダが白いものを選んでビニール袋一杯で止めました。
ムキタケは味も香りもないのですが、つるりとした白い身がコンニャクのような食感で美味しい。



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 この倒木にはヌメリスギタケも出ていました。ヌメリの強い黄色いキノコで、このキノコによく似たヌメリスギタケモドキとともに、北海道では人気があります。



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 森を出て山道を下る途中、ササ薮の中に大型のキノコがチラリと見えました。よく見ると3本並んでいました。カサがナメコのように粘液で覆われており、柄にもヌメリがあります。
これまで見たことがないキノコです。
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 この写真は、昨年9月16日に採ったニセアブラシメジと思われるキノコですが、どうもこのキノコに似ているように思われました。この写真のキノコに比べると、上の正体不明のキノコは柄にササクレが目立ちますが、それは、そのキノコがすでにカサが大きく広がり、老化したためだろうと考えたのです。

昨年に採った写真下のニセアブラシメジ様のキノコは美味かったので、上の写真の正体不明のキノコは持ち帰ることにしたのです。



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 下る途中、渓流の脇で赤い実を付けたマユミを見かけました。ピンクの殻が弾けて朱色の種が飛び出ています。色はきれいですが、枝から長く垂れたツリバナのほうが風情があるように思います。


帰宅して、この日の夕食はすき焼きでしたから、採って来たばかりのキノコを鍋に入れて味わいました(女房と娘は嫌な顔をしていましたが)。どのキノコも(ムラサキシメジも)それぞれに風味があり美味しく食べました。正体不明のキノコも、味にクセはなく歯切れも良くて美味しかったのです。

食後、やはり気になって、キノコ図鑑を数冊、本棚から持ち出してペラペラとページをめくっていたら、「ありました!」。あの正体不明のキノコは何と、「マムシフウセンタケ」というキノコで、「現在、食毒不明」なので、「食用にしない」と記述されていました。

しかし、あのキノコは美味かったのです。そして、私の身体には何の不調も起こりませんでした。よって、「マムシフウセンタケ」は、私には食用キノコということになりました。これだから、キノコ採りは止められないのです。来年が楽しみです。

今年の紅葉

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 札幌の自宅の窓から見える手稲山が、この数日で急速に色付いてきました。例年よりも10日ほども遅れましたが、紅葉が始まったのです。


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 この日(10月18日)は、キノコ採りを休んで、山へ紅葉見物に出かけました。良く晴れて風もなく、絶好の日和です。山頂へと続く道路の両脇の木々は黄色を基調に様々に彩られて華やかな雰囲気に包まれています。



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 シラカバの林は黄金色に輝いています。



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 カラマツ林では、木の幹に絡み付いたツタウルシの紅葉が、暗い林を鮮やかな秋色に変えていました。



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 山の紅葉の主役であるハウチワカエデも秋の衣装に衣替えの最中です。深紅に紅葉するのも間もなくでしょう。



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 こちらではヤマモミジが鮮やかな紅葉を見せています。



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 山道を登る足下にもツタウルシが紅葉しています。きれいですが、触れるとかぶれるので見るだけにしましょう。



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 日当りのよい山道脇にヤマハハコの白い花がまだ咲いていました。この花は雪が降る頃まで枯れずに残っているのです。赤や黄の色彩が目立つ中で、この白い花は地味ながら、何か心に残りました。



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 ヤマハハコが咲いていた近くには、僅かながら、エゾノコンギクが咲き残っていました。私の好きなこの花も、来年までの見納めです。



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 ようやく山頂近くまで登って来ました。山頂へと続く森は紅葉、黄葉に包まれて、まるで燃え上がるかのような景観です。
今年のこの山の紅葉は、ここ数年では一番かと思いました。



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 頂上に着いて、眼下の山々を見下ろして思わず「すごい!」と声が出ました。まさに絶景です。
 赤、黄、緑と、油絵のような色彩の渦に山々が飲み込まれています。広葉樹と針葉樹が入り交じった、北国の山々ならではの秋色です。
山々の彼方の青い海は石狩湾、左手奥に小樽がかすかに遠望できます。

まもなく来る雪の季節の前に、山々が最後に見せてくれた錦の衣装を堪能させてもらいました。来年も山々の恵みを頂けるようにと、頂上にある小さな祠(ほこら)に手を合わせて、頂上を後にしました。



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 下る途中の頂上付近ではダケカンバがすっかり葉を落として枯れ木のような白い樹肌を青空にさらしており、ナナカマドも紅葉していた葉が落ちて、真っ赤な実だけが枝に残って、早くも冬の装いに変身していました。



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 山の尾根筋も強風を受けてダケカンバなどの広葉樹は裸木となり、静かに雪を待つ状態です。頂上から見下ろした山々の紅葉も、まもなく同じような風景に変わります。



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 頂上から見た、私が住む手稲の町です。写真の左上に長方形のプールのような池と、その横に広がる森や芝生の広場が見えますが、あれが私がよく散歩に行く、前田森林公園なのです。地上の森はまだ紅葉していません。
1000メートル余の手稲山と地上の違いの大きさを実感させられるのも秋ならではです。



山の紅葉の季節は短い。おまけに紅葉は気象条件に左右されますから、全山紅葉の見頃の時期に巡り会うことは、山の近くに住んでいても容易ではありません。この日のような、快晴、無風の絶好の条件で最高の紅葉を観賞できたことはとても幸いでした。




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 山から帰って2日後の今日(20日)は朝から雷を伴う強い風雨が吹き荒れています。そして、午後3時頃、窓を叩く音に気付いて外を見ると、大粒のアラレが降り注いでいるではありませんか。山を見ると、山頂はすでに白く雪に覆われていました。

山の、あの見事な紅葉はこれで終わりとなりましょう。山の紅葉は、まことに花火のようです。

トリ年の始まりにあたり

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明けましておめでとうございます。皆様に良き年となるようお祈り申し上げますとともに、本年もまたよろしくお願い致します。

こちら札幌は例年になく深い雪に埋もれていますが、穏やかな新年を迎えました。我が家の庭に設置した野鳥用の給餌台には早朝からスズメたちが集まり、賑やかに騒いでいます。

今年はトリ年ですから、まずは私がこれまでに出会ったトリの中から印象に残る鳥をご紹介して、新年の事始めと致します。

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 最初は酉年を代表して、おめでたいトリから。
 伊勢神宮内宮には神鶏、つまり古来より神様のお使いとして大事にされている鶏がいます。境内を自由に歩き回っていますが、さすがに気品がありますね。



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 次は、日本の国鳥であるキジです。北海道には残念ながら国鳥のニホンキジは生息していませんが、狩猟用として大陸から移入された亜種のコウライキジが繁殖しています。
写真のキジは我が家の近くの野原で見かけた繁殖期のオスのコウライキジ。太いポプラの切り株に乗って、まるで舞台に立つ歌舞伎役者のようなポーズで、大きな声でコッコウと鳴いたあと、バタバタと羽ばたいて見栄を切っていました。



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 こちらは初夏の野付半島の湿原で出会ったタンチョウの夫婦です。大きくて優美で品格ある鳥で、国の特別天然記念物に指定されています。この鳥こそ、おめでたい鳥の筆頭ですね。
白い身体に赤い頭頂部と、まるで日本の国旗のような配色で、キジよりもこの鶴のほうが国鳥にふさわしい。北海道だけではなく全国に分布していたなら、間違いなくこのタンチョウが国鳥に選ばれていたでしょうに。



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 タンチョウのように頭部が赤い小さな野鳥、ベニヒワです。窓際に設置したエサ台に飛来したので嬉しくて印象に残っています。写真はベニヒワのメスですが、オスは胸にも赤い羽があります。



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 喉元の赤い羽が際立つのが、草原の小鳥、ノゴマです。北海道に飛来する夏鳥ですが、「日の丸」とも呼ばれるのは、この喉元の赤い色のためでしょう。これはオスの特徴でメスにはみられません。
「日の丸」といえば、フィギュアスケートの羽生結弦選手が国際大会に優勝して、掲揚された国旗を見上げながら大きく口を開けて国歌を歌っているのを見て感動しました。思わず、日の丸のような赤い喉元を膨らませてさえずるノゴマを連想してしまったのです。

ノゴマは美声ですが、羽生君はどうなのか、一度聴いてみたいものですが、今後の彼の活躍を祈ります。



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 正月らしい美しい小鳥といえば、このキレンジャクが思い浮かびます。晩秋から冬にかけて群れとなって飛来する冬鳥です。尾羽の先が赤いヒレンジャクもいますが、札幌では前者が多いようです。
鳴き声も、まさに鈴を振るような可憐な声で、私の好きな小鳥です。今年もたくさん飛んで来て欲しいものです。



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 日本では北海道だけに生息するエゾライチョウです。森林の中をヒソヒソと歩き回っている鳥で、用心深くてなかなか写真を撮らせてくれません。それだけに、秋が深まる森で出会って撮影できたときはとても嬉しかったのです。今年も巡り会いたいと願っています。



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 春を告げる鳥には、ヒバリやカワラヒワ、ウグイスなどがいますが、私はこのアオジの、ゆったりとした美声を聞くと春の到来を実感させられます。早く彼の歌が聴きたいものです。



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 新年を迎えたとはいえ、外はまだ深い雪の中。本当の寒さはこれからです。そんな厳しい環境でも鳥さんは頑張っています。
 こんもりと雪を冠った庭木の上でスズメたちが身を寄せ合っています。私が与えるエサを待っているのです。

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 スズメは集団で冬を越しますが、ツグミは一羽での単独行動です。激しい吹雪にも身を伏せて耐えていました。
困難に耐え忍ぶ小鳥たちの姿にはいつも感動させられます。

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 冬を耐える小鳥たちには、雪よりも恐ろしい敵がいます。彼らを鋭い眼で狙うハイタカです。ハイタカが現れると、賑やかに鳴き交わしていたスズメたちは一瞬で鳴き止み、枝の茂みの奥に逃げ込み、庭は不気味な静けさに包まれるのです。
タカが去ったあとの雪上にはスズメの羽が散らばり血痕が雪を赤く染めていることもあります。

タカは縁起の良い鳥とされていますが、小鳥たちには死の使者なのです。



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 川の土手に立てられた不法投棄禁止の看板に止まって周囲を監視している(?)カラス(ハシブト)です。お前は警察の回し者かと、突っ込みを入れたくなりますね。

一般的にカラスは不吉な鳥と認識されがちですが、夜明けとともに現れ、夕暮れには山へ帰るということから、カラスを「太陽の使い」あるいは「神の使い」とする神話や伝承が日本だけではなく世界各地にあるということです。日本では神話に出てくる三本足の「八咫烏(やたがらす)」が有名ですね。

とにかく賢い鳥であることは間違いありません。
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 カラスは勇敢な鳥でもあります。自分よりも大きい鳥に対しても、縄張りを侵されると果敢に突撃します。この場合、相手をクチバシで突っつくのかと思っていましたが、足で蹴り付けるのです。
私も、巣から落ちたカラスのヒナを保護しようとして、背後から親ガラスに後頭部を蹴られた事がありました。
もしカラスが黒ではなく白い羽だったら、おめでたい鳥として大切にされたかもしれませんね。



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 最後は、空の王者オオワシで締めましょう。
流氷が接岸した網走沿岸の上空を悠々と飛翔するオオワシです。

酉年の初めに当たり、「燕雀安んぞ鴻鵠の志を知らんや」の心意気で、天空を行くオオワシのように、長くはない先を目指して今年も飛び続けたいと思います。

春近い札幌、頑張る野鳥たち

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立春を過ぎて1週間近く、暦の上だけではなく体感的にも春の気配を感じるようになりました。


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 晴れた日の早朝、我が家の正面に見える手稲山は朝日に照らされて、白銀輝く頂上近くの木々の姿もクッキリとして、キーンと澄み切った寒気が伝わって来る厳寒の装いでした。
この日の札幌市内の最低気温はマイナス6.1度でしたが、標高1000メートル余の山頂ではさらに低く、マイナス20度に近かったかもしれません。

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 同日の午前10時過ぎの山は早朝とは一変して、薄い靄に包まれていました。気温が上昇したのでしょう。この日(2月9日)の市内の最高気温はプラスの2.8度でした。顔にあたる空気が暖かく感じられます。春立ちぬです。



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 暖かさに誘われて、近所の公園に犬と散歩に出かけました。公園のポプラ並木もシラカバ林もまだまだ冬の姿ですが、空の青さに暖かさが感じられます。

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 この公園では冬期、園内に歩くスキーのコースが設けられています。公園の事務所ではスキーも貸してくれるので、若者もおじさん、おばさんも天気の良い日にはスキーを履いて元気で雪上を歩き回っているのです。


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 公園の管理事務所の軒に下がった小さなツララも、厳寒期の氷の刃の鋭さが消え
て、溶け出した水玉が連なって玉すだれのようになりキラキラと陽光に輝いていました。 




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 散歩から帰宅して、庭に設置した野鳥用のエサ台に給餌すると、さっそくスズメの集団が飛来して賑やかに食事です。終日氷点下の気温が続いた先月は、餌を食べるのも必死だった彼らですが、暖かい陽光を浴びて今日はどこか余裕が感じられます。



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 エサ台に来る野鳥はスズメが中心ですが、その他にも色々な鳥が来ます。このヒヨドリも常連です。スズメのペチャクチャしゃべりもかなりの騒音ですが、ヒヨドリのキーキーと甲高い鳴き声は遠くまで響き渡ります。



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 ムクドリも常連さんですが、この鳥もギャーギャーとうるさい。大きく鋭いクチバシを持つ気の荒い鳥で、ヒヨドリを追い払ってエサ台を独占することがしばしばです。



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 この、ずんぐりむっくりの小鳥はシメです。クチバシが太く、ヒマワリの種などもバリバリと噛み砕いています。まるで黒眼鏡をかけたヤクザの兄さんのようですが、見かけだけではなく気も強くて喧嘩にも強い鳥です。ところが、鳴き声はというと、チーチーという、小さく優しい声なので思わず笑ってしまうのです。



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 今年は珍しくアトリが来ています。秋には大きな群れで飛び回っていますが、エサが少ないこの時期は少数で行動するらしく、我が家の庭に来るのは2~3羽です。
おとなしい小鳥で、えさ場ではスズメにも遠慮がちです。



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 夫婦らしいカササギも来ました。ハトくらいの大きさでケシケシケシと大きな声で鳴きます。本来は朝鮮半島などに生息する鳥ですが、いつのまにか北海道にも住み着くようになったようです。気の強い鳥で、自分よりも大きなカラスにも喧嘩を売っているのを見たことがあります。



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 夕方が近づいて、庭では野鳥たちが少し早い夕食に夢中です。某国の旅行客の団体にも負けない喧噪です。

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 突然、鳥たちが一斉に飛び立ちました。庭は不気味な静けさに包まれました。鳥たちは近くの木の枝に止まって周囲の様子を見ているのですが、何事もなければ、またエサ場に集まってきます。

エサ場には、小鳥だけではなく、小鳥を狙う猛禽類や猫も現れるので、小鳥たちは食事の間も警戒を続けなくてはならないのです。この場合、仲間で群れになっているのは有利です。自分が気付かなくとも、仲間の誰かが危険を察知して逃げれば、みな一斉に逃げればよいのですから。
そんなわけで、一羽が飛び立つと遅れじと全員が続くのです。

イメージ 17 しかし、どんなに警戒していても、犠牲者は出るのです。ある朝、エサ場の新雪の上にスズメの羽毛が散乱して、新雪の一部が赤く血で染まっていました。多分、タカ(ハイタカ)に襲われたのでしょう。
 真昼でも氷点下の気温が続くと、エサ場に集まるスズメの中には動きの遅いものがみられるようになります。タカはそれを見逃しません。タカもまた食べねばなりませんから必死なのです。

一見、平和そうに見えるエサ台周囲の小鳥たちですが、体力が消耗する今が一年で最も過酷な時期なのです。でも、太陽の光が強まってきて、日照時間も長くなってきました。雪解けの春まで、あと一息です。
頑張ろう!

ハイタカ来襲

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 我が家の庭に設置した野鳥用のエサ台の周囲には今朝も多数のスズメが集まって賑やかに鳴き交わしながら食事の真っ最中です。
その騒ぎ声がピタリと止みました。


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 「はてな?」と、窓から庭を見下ろすと、ハトくらいの大きさの鳥が何かを食べていました。足下にはスズメの羽毛が散乱しています。

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 鋭い眼をしたハイタカでした。スズメを引きちぎって食べているところでした。撮影する私に気付いたか、すぐに低く滑空して隣家のマツの木の茂みに逃げました。

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 庭は静まり返って小鳥たちは一羽も見当たりませんでした。エサ台下の雪面にはスズメの羽毛に混じって赤い染みが残されていました。

今期は確認できただけで、今回をふくめて4羽のスズメが犠牲になりました。春までもう一息というとろまできましたが、スズメの受難はまだ続きそうです。

夏の終わりの山遊び

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 私の遊びの場である札幌の手稲山はまだ夏の装いです。でも手稲の町は、暑さが続いてはいるものの、立秋も過ぎて夜は涼しい風が吹き、庭ではカンタンが鳴き出しました。
山ではキノコが顔を見せ始める頃です。
「山の日」の昨日、山の様子を見に行ってきました。



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 山に入ると野ではすでにススキが穂を出して、夏の終わりを知らせています。



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 森の中はまだ緑が濃くてエゾゼミのジージーという暑苦しい鳴き声が聞こえてきます。イタヤカエデの大木を見上げると葉は青々としてまだ夏の盛りの様相です。秋が深まるとこの葉は鮮やかな黄色に変わるのですが。



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 森の中の潅木に真っ白な花が群がるように咲いていました。サビタ(ノリウツギ)の花です。サビタは夏の花ですね。アジサイにそっくりで、白くきれいな花は「装飾花(飾り花)」で種を作らないムダ花。本当の花は中央の小さな粒状のものです。
「サビタ」という名は北海道独特の呼び名で、正式には「ノリウツギ」。昔はこの木の皮から和紙をすくためのノリを作っていたのです。和紙製造が盛んだった昔は、サビタノリは北海道ノリとして全国で利用されていたそうです。



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 山路を歩いているとツル状の植物に緑色の実が幾つもぶら下がっていました。よくみると釣鐘のような形をした花もあります。実と思ったのはツボミでした。
これは、ツルニンジンなのです。根が朝鮮人参に似ているのだとか。
春の山菜採りの頃に出る若芽はよく見かけましたが、こんな花が咲くとは知りませんでした。
若芽は食べたことがありますが、花はゆでて酢の物に、また根はキンピラにして食べるのだとか。しかし、あまり数は多くない植物らしいので、見て楽しむ程度にしたいですね。



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 登山道の脇で見つけたこの花はホタルブクロでしょうか。



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 木イチゴの一種、エゾイチゴの実がありました。この山では他に、クロイチゴ、ナワシロイチゴなどのキイチゴがありますが、それらの中ではこのエゾイチゴが独特の良い香りと甘酸っぱさがあり、私は大好きです。改良して大粒の実ができれば立派な商品になること間違いなしと思うのですが...。


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 咲き残っていたエゾアジサイの花にヨツスジハナカミキリが来て蜜を吸っていました。これはまだ夏の光景ですね。



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 登山道をヒラヒラと何匹ものチョウが飛び交っていました。これはスジグロシロチョウ。薄暗い山道では白いチョウは目立ちます。



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 山道で最も多かったのは地味な色合いのキマダラヒカゲです。名前のとおり日陰を好むチョウです。白い斑紋が、枯れ葉に落ちる木漏れ日のようですね。



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 日があたる草地では特にヨツバヒヨドリの地味な花にチョウが多く集まります。蜜が多いのでしょう。どのチョウもせわしなく花から花へと飛び回ります。これはキアゲハです。



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 ミズナラやクルミが混じる雑木林の地上を歩くコガネムシがいました。全身が金属的な緑色に輝いています。あれ懐かしや、アオカナブンです。
本州の田舎に住んでいた子供の頃、夏になると雑木林でカブトムシやクワガタ採りに熱中していました。それらの昆虫は樹液が流れる特定の木に集まるのですが、そこにはカブトムシなどとともにアオカナブンもいたのです。あの、虫採りで一日中走り回っていた子供の頃の夏休みの日々が急に蘇ってきました。
北海道でアオカナブンに遭遇したのは今回が初めてです。もしや、この山にはカブトムシもいるのか!?



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 登山道の両脇にはキノコがチラホラと姿を見せてくれましたが、そのほとんどは食用にはなりません。でも、眺めているだけで楽しい。
このキノコはカサが桜色でヒダや柄が真っ白で綺麗です。当然、名前はあるのでしょうが、私が所有するキノコ図鑑には記載がありません。



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 こちらは赤いキノコ。ドクベニタケのようですが...。カサ表面の白い部分は虫に食われたか?



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 こちらはやや大型のキノコ。クサハツの仲間? 



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 山道脇の倒木に何やら白いものが見えました。近寄ってみると、ウスヒラタケでした。立派な食用キノコです。これは嬉しい。
この季節は高温や虫のため、キノコはすぐに崩れてしまうことが多いのですが、これはまだ出てから新しいらしく、きれいでしっかりしています。美味しそうです(帰宅してから畑のナスやキュウリといっしょに炒めて食べました。美味かったです)。



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 尾根筋の風が吹き通る山道脇に青っぽいキノコが点々と出ていました。この特徴的な色合いは、アイタケ(藍タケ)ですね。土用キノコとも呼ばれる夏の代表的な食用キノコです。



期待していなかった夏のキノコ観察でしたが、思わぬ収穫がありました。山には確実に秋が来ています。いよいよキノコの季節の到来です。また忙しくなります。

キノコの季節始まる

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 私がキノコ採りをする札幌の手稲山では、例年、8月中旬頃から雑木林にアカジコウやタマゴタケが姿を見せ始め、下旬にはカラマツ林にラクヨウ(ハナイグチ)が出始めて山は一気にキノコの季節に突入するのですが、今年はどうしたことか、8月末になってもそれらのキノコは出てきませんでした。大雨や猛暑などの異常気象が影響したのでしょうか。

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 9月4日、例年ならラクヨウが出盛りとなる頃なので、まだ暑さが残る中を山へ向かいました。途中の山道では小さなキノコたちがちらほらとお出迎えです。これは期待が持てそうです。



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 最初に、アカジコウが生える雑木林に入りました。今年はダメかもしれないと心配でしたが、出ていました。しかも、カサが開いたばかりの、まだ虫に食われていないきれいなキノコでした。

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 採っていると顔の周りをブンブンと多数の蚊が飛び回ります。
私はキノコを見つけて大喜び、蚊は人間の血が吸えるので大はしゃぎ。 写真を撮るためキノコを持つ私の指にもしっかりと針を突き刺しています。
 子供の頃、外で遊んでいると蚊に刺されるのは当たり前の事でした。友達と互いに腕を差し出して、どちらに多くの蚊が集まるか、どれだけ長くその状態を我慢できるかを競争していたことを思い出しました。そのために、どうやら私は蚊に対して免疫が出来たようで、刺されても腫れませんし、痒みもあまり感じなくなりました。やはり、子供の頃に様々な体験をしておくことは大事ですね。

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 今年も良い状態のアカジコウが採れました。毎週、見回りに来ていた甲斐がありました。このキノコは一カ所に沢山出るということはないので、この場所では、これくらい採れれば大満足です。
カサも柄もそれぞれに美味しい(旨味ある)キノコです。



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 アカジコウが出ていた場所には、赤い頭のタマゴタケも顔を出していました。赤いカサと黄色い柄が特徴ですが、有毒キノコのベニテングタケに似ているので間違わないようにしましょう。
アカジコウほどではありませんが、美味しいキノコです。



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 キノコが出始めたことが解ったので、少し山の奥まで入ることにしました。最初に見つけたのは、アカジコウの仲間でもある、美味なヤマドリタケ(モドキ)でしたが、残念ながらすでに腐りかかっていました。まだ暑さが残るこの時期のキノコは虫が入りやすく痛みが早いのです。



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 カサが橙黄色で白い柄にゴマ粒のような黒い点々がある大型のキノコ、キンチャヤマイグチもすでにカサが大きく開いていました。



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 私の好みのキノコ、チチタケも出始めていました。カサの裏などは触れるだけで牛乳のような真っ白な液が滲み出て滴り落ちます。
私はこのキノコのダシ汁が好きです。キノコを少量の油でよく炒めて、酒と水、醤油を加えて煮ると、煮干し風味にキノコの香りが加わった出汁が出来ます。私はそうめんやソバの付け汁にしていますが、独特の風味で美味いですね。



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 秋の初めに出て来て、山のキノコの季節の始まりを告げてくれるハンノキイグチは地味な色合いで香りも弱いので、採る人は少ないようです。でも、カサ裏が鮮やかな黄色の若いキノコは(カサ裏を触ると青インク色に変色する)クセもなく美味しいと思います。



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 小型のホウキタケを見かけました。キホウキタケのようです。このような小型(高さ10cm足らず)のホウキタケは有毒なものが多いそうですから、見て楽しむだけです。
この山では過去に2回、本物のホウキタケ(小型の白菜くらいの大きさ)を採ったことがあります。それ以来、毎年探していますが、遭遇しません。私には幻のキノコとなっているのです。



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 これまで見たことがない巨大なキノコがありました。テングタケの仲間のようです。多分、有毒のようですから捨てました。帰宅後、図鑑で調べたら「ガンタケ」のようです。生食すると中毒するらしいのですが、調理すると美味な食用キノコとのこと。
シマッタ、持ち帰るのだったと後悔したのですが、解説をよく読むと、「カサも柄も歯切れ良く、風味にクセもなく、煮込むと味の良いダシが出る」、ただし、「生食すると中毒するため、あえて危険をおかしてはならない」とあります。ふーむ、何だか複雑な気分です。あえて危険をおかしたくなるではありませんか。
よし!次回、見つけたら持ち帰ることに決めました。



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 山を下る途中の山道では秋の野草が咲き出していました。これはエゾゴマナの白い花。



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 大好きなエゾノコンギクも咲いています。この花の薄青い色は写真ではどうもうまく表せないのが残念。



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 ヤナギランが一本、咲き残っていました。夏の名残です。この山の頂上近くの草原にはヤナギランの大群落があるのですが、今夏は暑くて見に行けませんでした。



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 黄色いオオアワダチソウの花の上でクジャクチョウが蜜を吸っています。このチョウの翅の裏は黒っぽい地味な色ですが、翅を開くと、まあ何と色鮮やかなこと。日本のチョウの中で最も豪華絢爛な色彩、色合いだと思います。

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 オオアワダチソウが咲き乱れる道路の脇のコンクリートの側壁に、何匹ものクジャクチョウが集まって、翅を広げて日光浴をしていました。早くも越冬の準備でしょうか。
壁に逆さに止まったチョウの姿は、本当にフクロウの顔にそっくりで、これならチョウを食べようとする鳥も逃げ出すでしょうね。



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 クジャクチョウが乱舞していた近くで、オオイタドリの葉の上に見慣れないチョウが翅を開閉させていました。クジャクチョウに比べたら、あまりに地味な色合いのチョウなので適当にシャッターを押したのですが、帰宅後、図鑑を調べたら該当するチョウがありません。念のため、札幌市内の大きな書店にあった「日本産蝶類図鑑」を見ましたが、そこにも記載されていませんでした。はて?
 そのとき、ふと思い出したのは、この日、キノコを求めて山道を歩いていたときのことです。目の前を派手な色合いの中型のチョウが一匹、ヒラヒラと舞っていたのです。見た瞬間、アサギマダラだと思ったのですが、残念ながら撮影出来ませんでした。
 アサギマダラは南方系のチョウで、この山にいるはずがありません。ところが調べてみると、この手稲山でも過去にアサギマダラが発見されており、それは台風によって運ばれて来たらしいというのです。
 なるほど、この8月は台風が連続して北海道に上陸し、札幌でも強風が吹き荒れました。もしや、あの地味な色のチョウも台風の風に乗って遠方から吹き流されて来たのではなかろうか?

こんなことなら、もっと真剣にあのチョウの写真を撮るのだったと悔やまれました。ピンボケ写真では同定も難しい。あのチョウがもっと奇麗な色合いだったら気合いも入ったのにと思いました。何事も、見かけだけで判断してはいけないということですね。



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 山道を下っていたら、目の前をピョンと跳ねる生き物がいました。エゾアカガエルです。尾根に近いこの山道の付近にはカエルが住むような水たまりはありませんが、地面は降り続いた雨で相当に湿っているので、カエルには居心地がよいのでしょう。



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 カエルを撮影していると、カッカッという音がしたので振り向くと、エゾリスが大急ぎで木の幹を駆け上がって行くところでした。幹に爪を立てる音だったのです。
先日の強風で吹き落とされたミズナラの、まだ緑色のドングリが山道にも散らばっていましたから、それを拾いに地面に降りたところに私がいたので驚いて逃げたのでしょう。
今年はどうやらドングリやクルミはまずまずの出来のようですから、リスは一安心でしょう。


今年のキノコは例年よりも2週間ほど発生が遅れたようですが、ようやく出始めました。高温と大雨の8月の天候が、今後のキノコの発生にどんな影響を及ぼしたのか、興味津々というところです。もしかすると、珍しいキノコとの出会いや幻のキノコとの再会もあるかもしれない。楽しみです。

キノコ日記2016 9月①

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今夏の北海道は暑さと大雨に見舞われて、その影響か、キノコの発生は例年よりも遅く、私が住む札幌でも、本格的に出始めたのは9月も半ば過ぎからでした。

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 9月20日: 近くの公園まで犬と散歩。園内の木立の下ではササクレヒトヨタケが今年もたくさん顔を出していました。昨年よりも2週間ほど遅れての発生です。
カサは開くとすぐにドロドロと溶け出すので、食べるなら、顔を出したばかりのツボミ状の幼菌を採ります。私は油炒めで食べますが、カサよりも、白い柄がシャキシャキして美味しい。



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 公園の芝生の中で、輪を描くように、白っぽいキノコが点々と出ていました。よく見ると、カサの表面やカサ裏のヒダが、かすかに紫色を帯びています。

これは嬉しい。コムラサキシメジです。すでに生長してカサが開いてしまっているのと、雨に打たれたためか色が褪せて白くなっていますが、普通は若いキノコは薄紫色をしています。通常は、カサの直径が2~3cmの小型のキノコですが、ここの芝生の土が肥えているからか、直径が5~6cm のものもありました。

ムラサキシメジよりも小さく、色も鮮やかではありませんが、味はムラサキシメジなど足下にも及ばない美味しいキノコです。



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 9月21日: 公園にキノコが出始めたということは、山もキノコの季節に入ったということですから、良く晴れたこの日、私のキノコ採りの場である手稲山へと出かけました。
ナナカマドの実がすっかり赤くなり、葉も紅葉が始まっていました。



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 山道の脇にカサが橙色のガッシリした感じの大型のキノコが立っていました。一瞬、オオツガタケ?かと思ったのですが、ヤマドリタケモドキでした。この場所では前回(9月 4日)もヤマドリタケモドキが出ていて、それはすでに腐りかかった老菌でしたが、今日のキノコはまだ若い、食べごろの良いものでした。

ヤマドリタケモドキは普通、根元が膨らんだ、ずんぐりむっくりの大型キノコですが、これはずいぶんスマートな形をしています。そういえば、8月に採ったアカジコウという、ヤマドリタケの仲間のキノコもスマートなものが多かったので、これも大雨や気温の影響によるのかもしれません。




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 さて、この日の最大の目的は、マイタケでした。山の斜面に立つミズナラの大木の根元に生えるマイタケを初めて発見してからすでに30年近く、そのミズナラは1~2年置きに、立派なマイタケを私に与え続けてくれたのです。

昨年は出ませんでしたから、今年は期待が持てます。ワクワク、ドキドキしながら斜面をよじ上ってミズナラの老木に到着して、ビックリ、愕然。なんと、老木は真ん中からボッキリと折れていたのです。幹も剥がれて樹洞が、むき出しになっています。先日の強風によるものでしょう。

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 ガッカリして近寄ってみると、根元に握りこぶしほどの幼菌が一つ、出ていました。あと数日すれば大きく生長することでしょう。それを楽しみに、山を下りました。

この日は、マイタケの他に、ラクヨウ(ハナイグチ)も採るつもりだったのですが、例年なら出盛りのはずなのに、まったく見つけることができませんでした。変な年です。



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 9月25日: 犬を連れて散歩の途中、もう出ている頃だと考えて、ハタケシメジが生える草地に行ってみました。そこは、住宅地の中にある草地なのですが、毎年、ハタケシメジが出るのです。歩道の脇の草地なので人目につきやすいのですが、幸い、まだ誰も気付いていないようで、私の穴場になっているのです。

予想通り、幾つも出ていましたが、まだ幼菌がほとんどです。もう少し大きくなるまで待つことにしました。他の人に見つかりませんように。



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 ハタケシメジの様子を見ての帰り道、公園の芝生の中に真っ白なキノコを見つけました。食用のハラタケかと思い、採りましたが、柄がスラリと長く、ハラタケではありません。捨てようとしたのですが、持ち帰って調べることにしました。

調べた結果、シロオオハラタケと判明。洋風の料理に合うというので、オリーブ油で炒めて塩胡椒で味付け、試食してみたとろ、おお!美味いではありませんか。ハラタケよりも美味いと思いました。今後は積極的に探そうと思いました。

ただ、このキノコは、食べれば必ず死ぬという猛毒キノコのドクツルタケやシロタマゴテングタケに非常によく似ているので、要注意です。



発生が遅れていたキノコが、ようやく出てきました。来週が楽しみです。
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